開業ノウハウ

ボイトレ・ボーカル教室を開業するには?開業に向けてどんな準備が必要か解説!

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カラオケの発展や歌ってみた文化など、日本には歌うことを趣味にしている方が多くいます。また、歌うことが好きで本格的に歌唱力を伸ばしてみたいと考えている方も多く、音楽教室の中でもボーカル教室は高い人気となっています。

この記事では、これからボーカル教室を開業したい方に向けて、ボーカル教室の開業に必要な準備や資金、集客方法のポイントについて解説していきます。

ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

記事を読むとわかること

  • ボーカル教室をはじめるのに資格は必要?必要なスキルは?
  • ボイトレ・ボーカル教室の開業に必要な準備
  • ボイトレ・ボーカル教室の集客に重要なポイント

ボーカル教室をはじめるのに資格は必要?必要なスキルは?

ボーカル教室を始めるのに、必要な資格はありません。ただ、もちろん教えようとしているジャンルの技術に精通していることや、生徒とコミュニケーションを取る力は必要になります。

また、音楽大学などで専門的学んだことがある経験を持っていたり、過去に賞を受賞していたり、ボーカルとして楽曲制作に携わっているなどがあれば、生徒からの信頼を得やすくなるといったメリットがあります。

経験や実績だけでなく、教える能力や経営力、集客力も必要になります。未経験でいきなり独自開業するのは不安、という方は、フランチャイズでノウハウを学んでから始める方法もあるので、独自開業を見据えてこのような方法にチャレンジしてみるのも有効な手段です。また、本業の傍ら、週末や夜間のみ、イベントやワークショップなどで教える方法もあります。

いきなり、独自開業を考えるのではなく少しずつ副業として講師をしたり、SNSなどの発信からオンラインで受講者を集めたりなど、戦略的に少しずつ経営や集客方法を学んでいくのがよいでしょう。

ボーカル教室の開業準備

ボーカル教室を独自開業すると決めた場合に必要な準備をみていきましょう。

コンセプト・授業形態を決める

ボーカル教室とひとくくりに言っても、様々な形態があります。その場合は、まずはコンセプトから定めていくのがよいでしょう。

一般的にコンセプトを決める場合には、「誰に」「何を」「どのように」の3つの要素から決めていくとわかりやすいと言われています。

  1. 誰に(ターゲット)
  2. 何を
  3. どのように

具体的には以下のような内容です。

1. 誰に未就学児/小学生/中学生/高校生/大人
2. 何を・音楽ジャンル
・趣味の範囲で楽しむことを目的としたレッスン
・プロを目指している人向けのレッスン
・ボイトレだけでなくダンスレッスンとセットでのレッスン
3. どのようにグループレッスン/マンツーマンレッスン
グループの場合、最大人数や、時間配分
単発のレッスンなのか、複数回通うものにするのか
そのほか、オンラインレッスンなどの独自のカリキュラムを取り入れるか
ボーカル教室のコンセプトの例

場所を決める

コンセプトが定まったら、それを実現できる教室の場所を探します。

自宅で開業する

ボーカル教室の開業場所として、自宅で開業するという方法があります。音程を揃えるためのキーボード、譜面台、そして防音設備さえあれば可能です。防音設備を導入するのはもちろん簡単ではないですが、一軒家の持ち家があるという場合などには、初期費用と運用コストを抑えることが可能です。メリットとデメリットは以下のようなものが挙げられます。

メリット

  • 初期費用、運用コストを抑えられる
  • レッスンのための移動がなくなる

デメリット

  • 自宅の改装が必要のため、家族や同居人の理解が必要
  • プライベートが守られない
  • 自宅が賃貸物件の場合、開業できない可能性がある
  • さまざまなタイミングで自宅住所を公開する必要がある

音楽スタジオを活用する

ふたつめに、時間貸しの音楽スタジオを活用して教室を行う方法があります。都市部の場合は音楽スタジオも多いため活用するのがよいでしょう。キーボードや録音ブースなどの備品もレンタル可能のため、設備を初期投資する必要もありません。自宅よりも開業のしやすさは高いでしょう。

メリットとデメリットは以下のようなものが挙げられます。

メリット

  • 初期費用を抑えることができる
  • 人数に合わせて、スペースを柔軟に確保できる
  • 必要なときだけ場所を借りられるため、赤字リスクが少ない

デメリット

  • 都度予約をする手間が発生する
  • 場所が空いていない場合、レッスンを実施できない
  • 講師・受講者ともに移動が大変の場合がある

テナントや賃貸物件を契約する

教室開業のためにテナントを契約する方法もあります。コンセプトを満たすためのスペースを用意できますし、ダンススクールと併設したボーカル教室を開業することも可能です。J-POPやK-POPを学びたい、という受講生にはダンスしながら歌う練習を提供することは一定の需要があるため、授業内容によっては差別化にもつながるでしょう。また、駅前など集客にも貢献する立地を選べる点もメリットです。

一方で初期費用が1,000万円程度かかってしまうケースも少なくないため、動画配信やSNSでファンを作り、自宅やレンタルスペースでの授業から受講者を獲得後、一定規模を超えてきたタイミングでテナント契約を検討するのが良いでしょう。

メリット

  • 自分の好きなときに、好きなだけレッスンを組むことができる
  • 教室の独自性を出しやすい
  • 機材の保管場所を確保できる
  • ダンススクールやギタースクールなど、周辺領域のスクールと併設できる

デメリット

  • 初期費用が大きくなる
  • 水道光熱費や賃料など、ランニングコストがかかる
  • 閉業する際にもある程度のお金がかかってしまう

開業資金を確保する

開業資金は、教室の場所をはじめ、さまざまな要因によって異なります。一般的にかかるお金の内訳としては、以下のようなものが挙げられます。

場所に関連する費用(改装費・水道光熱費・賃料などを含む)

ボーカル教室を行うための場所を用意するための費用です。自宅で開業する場合、賃料や初期費用などを抑えることが可能ですが、改装を行う必要なケースもあります。その場合、改装費として最低でも100万円〜の準備が必要になります。

レッスンに必要な道具、備品の費用

最初に決めた教室のコンセプトにもよりますが、教える内容に合わせた機材やスペースの準備が必要です。録音をして確認できる環境を作る際にはミキサーやDAWなどの用意も必要となります。

広告・宣伝費

開業時や運営初期には、生徒募集のための広告や宣伝活動にまとまった費用を用意しておくと安心です。チラシ作成や印刷、ウェブサイトの構築、SNS広告などが含まれます。最初は知り合いのみで始める場合は、集客も口コミや紹介をメインとして、広告宣伝費を抑えることも可能です。

また、開業に必要な資金については開業時に補助を受けることができる場合もあります。
ここまでの方向性が定まってきたら、一度無料相談窓口などで起業の相談をすることもおすすめです。

レッスン料と徴収方法を決める

ある程度教室の方向性が定まってきたら、レッスン料と徴収方法を決めましょう。ボーカル教室の場合、月謝制を導入することがほとんどですが、個人レッスンの場合など、回数券のようなチケット制を取り入れることもできます。

地域や頻度、教える内容によっても異なるため、開業の際には近くの教室や、同じようなカリキュラムを提供しているスクールの料金体系を調べておくようにしましょう。

レッスン料の相場は、カリキュラムの内容や指導のレベルによっても異なるため、迷ったら1で決めたコンセプトを見直してみましょう。専門性の高い技術の習得や、芸大受験などを目標とする場合には相場がかなりあがる傾向にあります。

また、料金が決まったら、徴収方法も決める必要があります。
月謝の徴収方法には以下のような方法があり、それぞれのメリット・デメリットを記事内でも紹介しています。

開業届の提出

個人事業主になる場合、税務署に開業届を提出する必要があります。これにより融資や助成金の申請、事業納税などが可能になります。
また、事務所・事業所の新設や増設・移転・廃止する場合や、事業を廃止する場合にも提出が必要になりますので、覚えておきましょう。

提出期限と提出場所

開業日から1ヵ月以内に、自宅住所を管轄する最寄りの税務署に提出します。

提出方法

開業届の提出方法は現状では以下の方法があります。

  1. 税務署へ直接提出する
  2. 郵送(返信用封筒も同封)
  3. e-taxを利用して提出する

なお、お手続き方法や必要書類については変更がある場合もございますので、詳細は「国税庁のホームページ」にてご確認の上、管轄の税務署の指定に従ってください。

ボーカル教室の集客方法

教室を開業する準備が整ったら、受講者を集める必要があります。まずは知人から教えていったり、親しい人の紹介で生徒を増やす方法もありますが、規模を拡大していきたい場合には以下も試すとよいでしょう。

ホームページやSNSアカウントを活用する

教室に関する情報をインターネットで公開しておくことは集客にとても効果的です。

ホームページ上では、生徒に信頼してもらえるよう講師の経歴や指導方針を公開しましょう。毎週のレッスンの予定や内容も掲載しておくことで、生徒は、自分が通える時間帯に教室が開講しているのかを確認することができます。

また、ボーカル教室ではどんなジャンルが得意なのかも明記しておきましょう。教室内の出来事以外にも、講師の実績や、受講生のイベントの情報など、ターゲットとしてさだめた方が興味のある情報を発信していくことで、将来の受講生に出会いやすくなります。

HPの作成方法は業者に依頼する方法から、サーバーを借りて自分で作成する方法まで様々ありますが、「Goope」など、テンプレートを選んで簡単にHPを作成できるサービスもあるので、調べてみましょう。

音声を伝えられるメディアと相性が良いため、InstagramやYouTubeにもコンテンツを増やしていくこともおすすめです。

チラシを作成する

オンライン以外の方法でレッスンを実施する場合、生徒になる見込みがある方は教室の近くにいます。そのため、物理的なチラシを配布することも有効な集客手段の一つです。

地域の商店街やスーパーマーケット、コミュニティセンターなど、多くの人が集まる場所にチラシを配布することで、周辺地域の人々に料理教室の存在を知ってもらうことができます。チラシには、教室の特長や料金、アクセス方法などをわかりやすく記載し、興味を引くデザインや写真を使うことが大切です。

体験レッスンや単発レッスンを実施する

複数回通うことをメインとする教室を開業する場合にも、1回限りの体験レッスンを実施し、教室の雰囲気やレッスンの進め方を知ってもらえるようにしましょう。趣味として習うことを目的とするボーカル教室の場合には、人が集まりやすくなるでしょう。

体験レッスンの予約には、前述のホームページのお問合せフォームを利用するほか、SNSのメッセージ機能や、教室のLINEアカウントを活用する方法もあるので、ぜひ検討してみてくださいね。

紹介制度を用意する

個人の教室の場合、友人や知人からの紹介はとても信頼度が高く、新規生徒が教室に興味を持ちやすくなります。さらに、紹介者自身も特典や割引を得ることができるようにしておくと、双方にメリットが生まれるため、教室側が大きな労力をかけなくても集客ができます。

まとめ

ボーカル教室は、特別な資格が不要で始めることができるため、歌うことが好きだったり、アーティストとして活動されている方が副業として収入を得たい場合などに、開業を検討されることが多いでしょう。

開業後も長く続けていくために、経営の知識や教える技術が必須です。レッスンを通して生徒と向き合い、信頼関係を結ぶことができれば、とてもやりがいのある生涯の仕事となるでしょう。

この記事では、ボーカル教室の開業に必要な手続き、集客方法などを解説しました。これからうたうことを「教える」ことにチャレンジしてみたいみなさんに、少しでもお役に立てると幸いです。

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「教える」にチャレンジしてみる際には、ぜひ一度導入をご検討くださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。