算数や数学などが得意になるだけではなく、集中力や礼儀などを学ぶことができるそろばん教室。小さい頃通っていた方も多いのではないでしょうか。
環境の変化の中で、そろばん教室やそろばんを教える先生は減少の傾向にあると言われています。
ただ、上記のような目的から、就学前から子どもにそろばんを習わせたいと思う保護者は少なくありません。
脳を活性化する効果も見込めるので、大人になってから始める場合もあります。
また、個人塾の中のメニューとしてそろばんを取り入れるケースもあるでしょう。
この記事では、そろばん教室を開業することを検討している場合にどのような準備を行うとよいのかを解説しています。
そろばん教室の開業にはどんな資格が必要?
そろばん教室の開業には、特別な資格は必要ありません。
ただ、もしあなたがそろばんを教えたいという場合、もちろんそろばんの指導ができるだけのスキルや、生徒とコミュニケーションを取る力を持っている必要があります。また、そろばんに関する以下の資格をもっていると、教室の信頼性をアピールすることができるでしょう。
・日本商工会議所主催珠算能力検定資格
日本商工会議所と日本珠算連盟が共済して認定する資格です。日本商工会議所が6〜1級を担当し、日本珠算連盟が10〜7級・準1〜準3級・準初段〜十段を担当しています。
・全国珠算教育連盟主催珠算検定資格
全国珠算教育連盟(略称:全珠連)が提供する資格です。15〜1級・初段〜十段を取得することが可能です。珠算教育者向けの研修会なども主催されています。
そろばん教室の開業準備
それでは、実際にそろばん教室を開業する場合に必要な準備を見ていきましょう。
コンセプトを決める
あなたは、どんな教室を開きたいですか?まずは教室のコンセプトを設定することが大切です。
一般的にコンセプトを決める場合には、「誰に」「何を」「どのように」の3つの要素から決めていくとわかりやすいと言われています。
- 誰に(ターゲット)
主にどんな層に対して教室を提供したいのか - 何を
ターゲットが教室を通してどんなニーズや欲求を満たすのか - どのように
ニーズや便益をどのような方法や技術で満たすのか(授業の内容や実施頻度など)
場所を決める
コンセプトが定まったら、それを実現できる環境を整えていきましょう。
そろばん教室は机があればどこでも始めることができますが、生徒が集中してレッスンを受けることができるよう、周辺環境の騒音や部屋の明るさにも注意して選ぶ必要があるでしょう。
具体的な方法としては以下のようなものが考えられます。
自宅で開業する
一番手頃で始めやすい手段として、自宅で開業するという方法があります。メリットとデメリットは以下のようなものが挙げられます。
メリット
- 初期費用を抑えられるのでリスクが小さい
- 物件に関する固定費を抑えられる
- 少ない資金で開業できる
- 自宅の光熱費などを経費計上可能になる
デメリット
- スペースによって生徒数が限られる
- 自宅が賃貸物件の場合、開業できない可能性がある
- 自宅の場所や先生のプライベートが公開されてしまう
- 家族や同居人からの理解が必要
レンタルスペースや公民館などの時間貸しのスペースを活用する
ふたつめに、公民館や集会所、市民センターなどの時間貸しのスペースを活用して教室を行う方法があります。畳の部屋があったり、大きな机を貸し出している場合もあるので、近くにそういった施設があれば、まずは利用方法を問い合わせてみるとよいでしょう。また、公的な施設の場合、商用利用を制限している場合もあるため、注意が必要です。
メリットとデメリットは以下のようなものが挙げられます。
メリット
- 初期費用を抑えることができる
- 人数に合わせて、スペースを柔軟に確保できる
- 必要なときだけ場所を借りられるため、赤字リスクが少ない
デメリット
- 都度予約をする手間がかかる
- 場所の予約ができず、レッスンを実施できない場合がある
- レッスンごとに必要な備品を持ちこむ必要がある
- 商用利用が禁止されている施設もある
テナントや賃貸物件を契約する
3つめに、教室の開業のためにテナントを契約する方法もあります。
生徒に集中できるスペースを確実に提供できるほか、教室の独自性を出しやすいといったメリットも多くありますが、初期費用や維持費がかかってしまうため、リスクも大きくなります。
そのため、一般的には、自宅やレンタルスペースで生徒や講師が集まり、一定規模を超えてきたタイミングで検討するのが良いでしょう。
必要な備品を用意する
会場の目処がたったら、教室に必要な備品を揃えておきましょう。
代表的なものは以下のようなものがあります。
- 机
- そろばん
- 教材
- 黒板またはホワイトボード
そろばんや教材は生徒に購入してもらう方法もあります。現金でレッスン費用を集める場合には集金袋が必要ですが、オンライン集金や口座振替を活用する場合には不要です。子どもが集金袋を持ち歩くというのはどうしても保護者は心配に感じてしまいます。受講者とのトラブルの原因や煩雑な事務作業に繋がってしまうため、教室運営の効率化を図るタイミングで、ぜひ集金サービスの導入を検討してみましょう。
開業届の提出
個人事業主になる場合、税務署に開業届を提出する必要があります。これにより融資や助成金の申請、事業納税などが可能になります。
また、事務所・事業所の新設や増設・移転・廃止する場合や、事業を廃止する場合にも提出が必要になりますので、覚えておきましょう。
提出期限と提出場所
開業日から1ヵ月以内に、自宅住所を管轄する最寄りの税務署に提出します。
提出方法
開業届の提出方法は現状では以下の方法があります。
- 税務署へ直接提出する
- 郵送(返信用封筒も同封)
- e-taxを利用して提出する
なお、お手続き方法や必要書類については変更がある場合もございますので、詳細は「国税庁のホームページ」にてご確認の上、管轄の税務署の指定に従ってください。
そろばん教室の集客方法
教室を開業する準備が整ったら、生徒を集める必要があります。親しい人の紹介や、会場として借りているスペースの掲示板やチラシなどで生徒を増やす方法もありますが、規模を拡大していきたい場合には以下も試すとよいでしょう。
ホームページを作成する
教室に関する情報をインターネットで公開しておくことは集客にとても効果的です。最初は口コミや紹介などで生徒を集める場合にも、教室の内容を調べた際にホームページがあるかないかで、安心感が異なってきます。
ホームページ上では、生徒に信頼してもらえるよう講師の経歴や指導方針を公開しましょう。授業の予定や内容も掲載しておくことで、生徒は、自分が通える時間帯に教室が開講しているのかを確認することができます。
チラシを作成する
オンライン以外の方法でレッスンを実施する場合、生徒になる見込みがある方は教室の近くにいます。そのため、物理的なチラシを配布することも有効な集客手段の一つです。
地域の商店街やスーパーマーケット、コミュニティセンターなど、多くの人が集まる場所にチラシを配布することで、周辺地域の人々にそろばん教室の存在を知ってもらうことができます。チラシには、教室の特長や料金、アクセス方法などをわかりやすく記載し、興味を引くデザインや写真を使うことが大切です。
体験授業や単発のイベントを実施する
そろばん教室選びの重要なポイントの一つとして、先生との相性が挙げられます。そのため、事前に先生や教室のいつもの様子を知ることができる体験授業は、非常に効果的な集客策です。
また、春休みや夏休みなど、子どもたちが学校に行っていない期間中は、習い事を検討する可能性が高くなります。たとえばお休み期間に合わせて、そろばんの体験授業やスポットで参加できるイベントを開催すると、新規の生徒獲得につなげることができるでしょう。
紹介制度を用意する
個人のそろばん教室の場合、友人や知人からの紹介はとても信頼度が高く、新規生徒が教室に興味を持ちやすくなります。さらに、紹介者自身も特典や割引を得ることができるようにしておくと、双方にメリットが生まれるため、教室側が大きな労力をかけなくても集客ができます。
まとめ
この記事では、そろばん教室の開業に必要な準備や資格、集客のポイントを紹介しました。
これからそろばんを「教える」ことにチャレンジしてみたいみなさんに、少しでもお役に立てると幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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「教える」にチャレンジしてみる際には、ぜひ一度導入をご検討くださいね。