開業ノウハウ

日本語教室を開業するには?開業手順や場合によっては必須となる資格についても解説!

開業ノウハウ

日本語教室は近年に徐々に需要が高まりつつある語学教室のひとつです。文化庁が公開している日本語教室立ち上げハンドブックによると、日本に在留している外国人の数は、令和3年21月には約276万人に達し、令和4年末にはさらに約31万人増加し、約308万人になったとのことです。

同じく文化庁が公開している令和4年度 日本語教育実態調査によると、国内における日本語教育実施機関・施設等数は2,764、日本語教師等の数は44,030人、日本語学習者数は219,808人となっています。このように「日本語を教える」ということは国内においても徐々に需要が高まっていくと考えられます。

この記事では、これから日本語教室を開講してみたいと考えている方向けに開校の方法や集客方法などを紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

記事を読むとわかること

  • 日本語教室の開業にはどんな資格が必要か
  • 日本語教室の開業準備
  • 日本語教室の集客方法

日本語教室の開業にはどんな資格が必要?

結論、個人で日本語教室を開業する場合は必須ではありません。

しかし、2024年4月1日に施行された「日本語教育機関認定法」では、日本語教師として日本語教育をおこなう場合には国家資格である「登録日本語教員」の資格を取得する必要があると定められています。同法において「認定日本語教育機関で働く日本語教師は、登録日本語教員でなければならない」という記載があるため、法人や団体に雇用されて日本語教師として働く場合には、国家資格である「登録日本語教員」の資格が必要とされるケースもあります。

個人での開業を考えている場合でも、資格を取得しておくことで信頼の獲得につながるため、取得を前提として開業を検討するのがおすすめです。

登録日本語教員になるためには?

2024年4月時点では、登録日本語教員の資格取得ルートは主に3つ存在します。登録を受けた大学や専門学校で単位を取得していれば、登録日本語教員の試験が免除される場合もあります。なお、登録日本語教員の資格取得には学歴に関して要件を設けられていないため、どなたでもチャレンジすることが可能です。

2024年11月17日(日)には、第1回の登録日本語教員試験が行われます。日本語教室の開業を志している方で、試験ルートでのみ資格取得が可能な方は忘れずに申し込みしましょう。もうすでに現職の日本語教師の場合はさらに6つの経過措置の対象となります。ご自身の状況に照らし合わせながら最適なルートでの資格取得を目指しましょう。

文化庁が公開している「登録日本語教員の登録申請の手引き」には、資格取得のルートや現職者向けの経過措置適用に関しての概要がまとまっているので、事前に確認しておきましょう。

日本語教室の開業準備

日本語教師として働く方法としては主に5つの方法が挙げられます。

  • 日本語学校に所属する
  • 企業の日本語教師
  • オンラインで日本語スクールを立ち上げる
  • 日本語教室を開校して立ち上げる
  • ボランティアの日本語教室に所属する

この記事では日本語教室を独立して開校(開業)する方法に焦点を当てて紹介していきます。それでは、日本語教室を開業する場合に必要な手順を見ていきましょう。

コンセプトを定める

日本語教室とひとくくりに言っても、様々な形態があります。まずは、どんな教室を開業したいのか、書き出してみましょう。一般的にコンセプトを決める場合には、「誰に」「何を」「どのように」の3つの要素から決めていくとわかりやすいと言われています。

  1. 誰に(ターゲット)
  2. 何を
  3. どのように

例としては以下のような内容が挙げられます。

1. 誰に日本人/技能実習生/外国人留学生/どの母国語の話者なのか/日本語能力レベル
2. 何を日常会話/ビジネス会話/受験や資格対策
3. どのようにグループレッスン/マンツーマンレッスン
グループの場合、最大人数や、時間配分
そのほか、ゲームやオンラインレッスンなどの独自のカリキュラムを取り入れるか

場所を決める

コンセプトが定まったら、それを実現できる教室の場所を探します。

自宅で開業する

日本語教室の一番手頃で始めやすい手段として、自宅で開業するという方法があります。メリットとデメリットは以下のようなものが挙げられます。

メリット

  • 初期費用を抑えられるのでリスクが小さい
  • 物件に関する固定費を抑えられる
  • 少ない資金で開業できる
  • 自宅の光熱費などを経費計上可能になる

デメリット

  • スペースによって生徒数が限られる
  • 自宅が賃貸物件の場合、開業できない可能性がある
  • 自宅の場所や先生のプライベートが公開されてしまう
  • 家族や同居人からの理解が必要

レンタルスペースや公民館などの時間貸しのスペースを活用する

ふたつめに、公民館や集会所、市民センターなどの時間貸しのスペースを活用して教室を行う方法があります。机や椅子などの備品を貸し出している場合もあり便利ですが、営利目的では利用が行えない場合もあるので注意しましょう。近くにそういった施設があれば、まずは利用方法を問い合わせてみるとよいでしょう。

メリットとデメリットは以下のようなものが挙げられます。

メリット

  • 初期費用を抑えることができる
  • 人数に合わせて、スペースを柔軟に確保できる
  • 必要なときだけ場所を借りられるため、赤字リスクが少ない

デメリット

  • 都度予約をする手間がかかる
  • 場所が空いていない場合、レッスンを実施できない
  • レッスンごとに必要な機材を持ち込む必要がある
  • 簡素な場所が多いため、教室の独自性が出しにくい

テナントや賃貸物件を契約する

3つめに、教室の開業のためにテナントを契約する方法もあります。
生徒に集中できるスペースを確実に提供できるほか、教室の独自性を出しやすいといったメリットも多くありますが、初期費用や維持費がかかってしまうため、リスクも大きくなります。

そのため、一般的には、自宅やレンタルスペースで生徒や講師が集まり、一定規模を超えてきたタイミングで検討するのが良いでしょう。

開業資金を確保する

開業資金は、2で決めた教室の場所をはじめ、さまざまな要因によって異なります。

日本語教室の場合、特別な設備が不要なため、自宅の1室で開業する場合は10万〜30万円からでも始めることができるでしょう。もし開業にあわせて自宅の改装などを考える場合には、その費用もかかってきます。

なお、もしテナントを借りて0から始める場合には300万〜500万円ほどの資金準備が必要だと言われています。

レッスン料と徴収方法を決める

ある程度教室の方向性が定まってきたら、レッスン料と徴収方法を決めましょう。日本語教室の場合、月謝制を導入することがほとんどですが、個人レッスンの場合など、回数券のようなチケット制を取り入れることもできます。

地域や対象の年齢によっても異なるため、開業の際には近くの教室や、同じようなカリキュラムを提供しているスクールの料金体系を調べておくようにしましょう。また、マンツーマンレッスンの場合には料金は上がることが一般的です。

レッスン料の相場は、カリキュラムの内容や指導のレベルによっても異なるため、迷ったら1で決めたコンセプトを見直してみましょう。専門性の高いビジネス用語の習得や、資格取得を目標とする場合には相場もあがるでしょう。

また、料金が決まったら、徴収方法も決める必要があります。

生徒が10〜20人程度であれば、現金での徴収・管理も可能ですが、生徒側に現金を持ち運ぶ負担や、大きなお金であればクレジットカードで払いたいと言った希望もあるため、ここで決済システムの導入を検討しておくとよいでしょう。

決済システムの中には、決済以外の入会管理やスケジュール管理機能も含んでいるサービスもあるため、開業時に導入しておくと、事務作業を減らすことができ、開業の忙しい時期に「教える」業務そのものに集中しやすくなるメリットがあります。

開業届の提出

開業のタイミングでさまざまな手続きを行う必要があります。また、事務所・事業所の新設や増設・移転・廃止する場合や、事業を廃止する場合にも手続きが必要になりますので、覚えておきましょう。

以下の記事で、開業時の手続きをまとめておりますのでぜひ、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

なお、手続き方法や必要書類については変更がある場合もございますので、最新情報はお住まいの地域を管轄している団体のホームページ等をご確認ください。

日本語教室の集客方法

教室を開業する準備が整ったら、生徒を集める必要があります。親しい人の紹介や、会場として借りている公民館での募集などで生徒を増やす方法もありますが、規模を拡大していきたい場合には以下も試すとよいでしょう。

行政主導の日本語教室に参加する

コンセプトをまとめるタイミングでも参考になりますが、可能であればまずは行政が主導している日本語教室に講師やボランティアとして参加してみることがおすすめです。

もちろん、希望すればだれでも参加できるわけではないですが、日本語教室に通ってみたいという方達がどんな悩みを持っているのかを把握しておくことは、授業内容や集客に良い影響をもたらします。どういった悩みを抱えているのか、なぜ日本語を学びたいのかを具体的にすることでよりよい授業にもつながるので機会があればトライしてみましょう。

ホームページやSNSアカウントを作成する

教室に関する情報をインターネットで公開しておくことは集客にとても効果的です。

ホームページ上では、生徒に信頼してもらえるよう講師の経歴や指導方針を公開しましょう。毎週のレッスンの予定や内容も掲載しておくことで、生徒は、自分が通える時間帯に教室が開講しているのかを確認することができます。

また、ホームページを最初から作成することがハードルに感じる場合、InstagramなどのSNSアカウントを活用する方法もあります。

日々の教室風景を写真や動画で見せると、事前に教室の雰囲気を感じてもらうことができるので、集客の後押しとなるでしょう。

体験レッスンを実施する

日本語教室を選ぶとき、多くの人は実際に体験してみたいと思います。

体験レッスンは、教室の雰囲気や指導方法を直接感じることができるため、非常に効果的な集客策です。子ども向けの体験レッスンでは、会話を通して日本語の楽しさを感じてもらえるような内容を用意することが大切です。また、大人向けには、実際の講師との相性をみてもらえるよう、担当する講師のいつも通りのレッスンを受けてもらえるようにしましょう。

レッスン終了後には丁寧なフォローアップを行い、正式なクラスへの入会を促すキャンペーンや割引を提供することも忘れずに行います。体験レッスンの予約には、前述のホームページのお問合せフォームを利用するほか、SNSのメッセージ機能や、教室のLINEアカウントを活用する方法もあるので、ぜひ検討してみてくださいね。

まとめ

日本語教室を開校するためには、2024年4月から国家資格が必要となりました。間口が狭くなった分、しっかりしたスキルを持った登録日本語教員の方々にとっては

開業後も長く続けていくために、教室運営や日本語レッスンに関する知識と勉強は必要です。レッスンを通して生徒と向き合い、信頼関係を結ぶことができれば、とてもやりがいのある生涯の仕事となるでしょう。

この記事では、教室の場所選びや資金、集客方法など、開業に必要な準備や手順を解説しました。これから日本語を「教える」ことにチャレンジしてみたいみなさんに、少しでもお役に立てると幸いです。

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最後までお読みいただきありがとうございました。