開業ノウハウ

お菓子作り教室を開業するには?集客の方法や開業の手続きについても解説!

開業ノウハウ

「自宅でおいしいお菓子やケーキを作れるようになりたい」という方から人気の「お菓子作り教室」。最近は動画共有サイトでも手軽に材料や作り方の手順は学べますが、実際の工程は難しい工程も多く「先生から学びたい」という方も多いのではないでしょうか。実際に、大手の料理教室でもお菓子作りに特化したクラスもあるほどの人気があります。

大人の習い事として人気のある「お菓子作り教室」ですが、ご自身の経験を活かして「これから先生になってみたい」「お菓子作り教室を開業してみたい」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ご自身でお菓子作り教室を開きたい方向けに、開業に必要な資格や準備について解説しています。ぜひ、最後まで読んでみてくださいね。

記事を読むとわかること

  • お菓子作り教室の開業にはどんな資格が必要?
  • お菓子作り教室の開業に必要な準備や設備
  • お菓子作り教室の集客を行う際のポイント

お菓子作り教室の開業にはどんな資格が必要?

お菓子作り教室を始める場合、なにか資格や許可が必要なのか疑問に思われる方は多いでしょう。

結論、お菓子教室を始めるのに、資格や許可は必要ありません。(※作ったものを販売したり持ち帰らせる場合には営業許可が必要となる場合もあります。その場合には必ず教室を行う場所を管轄する保健所へ事業内容を相談しましょう。)

ただ、製菓に関する資格や実績を持っていると、生徒の信頼度アップにつながり集客効果も期待できます。関連する資格としては以下のようなものがあります。

  • 食品衛生責任者

    食品衛生責任者は、食品衛生法に定められた資格であり、各都道府県の保健所が管轄する公的資格でもあります。
    所定の資格(栄養士、調理師、製菓衛生師など)を持っていれば、保健所への申請のみで取得することが可能です。なお、これらの資格を持っていない人でも、各自治体で開催される「食品衛生責任者養成講習会」を受講すれば資格を得ることができます
    また、自治体によってはオンラインで取得できる場合もあり、取得の難易度は比較的低いことから、資格として持っていても損はないでしょう。
  • 栄養士・調理師・製菓衛生師

    栄養士・調理師・製菓衛生師などの資格は、食品や栄養に関する専門知識を持つことが求められる職種に向けた資格です。パティシエ経験や大学や専門学校などに通い、これらの資格を持っている場合、教室の信頼度向上につながるので、ぜひ経歴としてアピールするとよいでしょう。

お菓子作り教室の開業準備

それでは、実際にお菓子作り教室を開業する際の流れを見ていきましょう。

コンセプトを決める

前述の通り、お菓子作り教室を始めるのに必須の資格はなく、誰でも教室を開くことができるため、逆に考えると「どうしたら通ってもらえるのか」「どうしてその教室で習いたいと思うのか」を明確にしておくことが、教室の開業で失敗しないためにもっとも重要な要素となります。

そのため、まずはあなたの教室のコンセプトを定めましょう。

一般的にコンセプトを決める場合には、「誰に」「何を」「どのように」の3つの要素から決めていくとわかりやすいと言われています。

誰に(ターゲット)
主にどんな層に対して教室を提供したいのか
何を
ターゲットが教室を通してどんなニーズや欲求を満たすのか
どのように
ニーズや便益をどのような方法や技術で満たすのか(授業の内容や実施頻度など)

「誰に(ターゲット)」は、大まかに言うと以下のような内容が考えられます。

・子ども向けなのか大人向けなのか
・初心者向けなのか上級者向けなのか

また、外国の方や親子を対象とするなど、ターゲットを絞ると独自性が出しやすくなります。(ただその反面集客できる範囲も狭まるため、ターゲットに合致する方がどれくらいいるのかは意識しておくとよいでしょう。)

「何を」には、例えば以下のような内容が考えられます。

・つくれるお菓子の種類
・教室に通うゴール

「どのように」では、例えば以下のような内容を定めておくとよいでしょう。この内容は前述の「誰に(ターゲット)」と「何を」から考えていくと定めやすいです。

・レッスンの方法
先生が調理をするのをみてもらうのか、生徒にも実際にその場でお菓子作りをしてもらうのか、など
・レッスンの頻度
単発なのか複数回通うことを前提とするのか、など
・レッスンの人数
1回につき参加できる生徒の数はどれくらいにするのか

場所を決める

コンセプトが定まったら、実際に教室を開く場所を決める必要があります。場所によって最初にかかるコストや準備も異なってくるので、自分にあった方法を選びましょう。

以下でそれぞれの方法とメリット・デメリットを紹介します。

自宅で開業する

自宅のキッチンにある程度のスペースがある場合、一番低リスクでお菓子作り教室を始める方法が自宅で開業することです。メリットとデメリットは以下のようなことがあります。

メリット

  • 初期費用を抑えられるのでリスクが小さい
  • 自分が使い慣れた設備を使って教えることができる
  • 自宅の光熱費などを経費計上可能になる
  • 近所の方を集客しやすい

デメリット

  • スペースによって生徒数が限られる
  • 自宅の場所やプライベートが公開されるリスクがある
  • 家族や同居人からの理解が必要

レンタルキッチンなどの時間貸しのスペースを活用する

ふたつめに、レンタルキッチンなどの時間貸しのスペースを活用して教室を行う方法があります。調理器具や設備などが充実していたり、空間にこだわっているスペースもあり、もし条件が合ったスペースが近くにある場合には、利用を検討してみるとよいでしょう。メリットとデメリットを挙げてみました。

メリット

  • 初期費用を抑えられるのでリスクが小さい
  • 人数に合わせて、スペースを柔軟に確保できる
  • 必要なときだけ場所を借りられるため、赤字リスクが少ない
  • 教室を閉じる際にも大きなリスクがない

デメリット

  • 都度予約をする手間がかかる
  • 場所の予約が取れず、レッスンを実施できない場合がある
  • 場所によっては生徒が通いにくい等の心配がある

テナントや賃貸物件を契約する

3つめに、教室の開業のためにテナントを契約する方法もあります。プライベートや予約時間を気にせず教室を開くことができたり、教室独自の設備を入れることで独自性も出しやすくなりますが、初期費用や維持費がかかってしまうため、リスクも大きくなります。

そのため、一般的には自宅やレンタルスペースで教えることにチャレンジしてみて、生徒数が増えてきたタイミングや、レッスンの内容を見直したい際に、賃貸物件を検討される方が多いでしょう。

開業資金を確保する

開業資金は、2で決めた教室の場所をはじめ、さまざまな要因によって異なります。一般的にかかるお金の内訳としては、以下のようなものが挙げられます。

施設の準備費用

お菓子作り教室を行うための会場の準備が必要です。自宅のキッチンやリビングスペースを教室として利用する場合でも、清掃や改装、大型の調理器具の購入などの準備費用が必要となってきます。

調理道具や備品、食材の準備費用

複数人で同時に調理を行う形式にする場合には、その人数分の調理道具や食材が必要です。また、料理に関する備品以外にも、ホワイトボードやプリンターなどの事務用品も揃えておくとよいでしょう。

教材費

ご自身でレシピを用意する場合にも、プリントに印刷したり、バインダーを用意しておくなどの準備が必要です。

広告・宣伝費

開業時や運営初期には、生徒募集のための広告や宣伝活動にまとまった費用を用意しておくと安心です。チラシ作成や印刷、ウェブサイトの構築、SNS広告などが含まれます。最初は知り合いのみで始める場合は、集客も口コミや紹介をメインとして、広告宣伝費を抑えることも可能です。

大まかな目安として、自宅やレンタルスペースで始める場合、数万円から数十万円から始めることができると言われています。また、テナントを借りて0から始める場合には、初期費用や数カ月分の家賃などを考えても、少なくても300万〜500万円ほどの資金準備は必要となってくるでしょう。

レッスン料と徴収方法を決める

開業資金や月間のコストが定まってきたら、逆算してレッスン料と徴収方法を決めましょう。単発のレッスンなのか複数回のレッスンなのか、一緒に受ける人数、材料費などによって価格帯は変わってきます。似た形態のお菓子作り教室の価格をリサーチしておくとよいでしょう。

一般的に、単発のグループレッスンの場合には5,000円〜8,000円が相場となっています。開講する地域や扱う食材、作る量によっても変動するので、周辺の教室を参考に料金を決めましょう。また、料金が決まったら、徴収方法も決める必要があります。

単発のレッスンの場合、その場で現金徴収する方法が最もコストや準備がなく始めることができるやり方です。ただ、直前のキャンセル時に徴収ができないリスクや、徴収後の管理の煩雑さがあるため、ある程度の規模がある場合には、オンライン決済の導入も検討しておくとよいでしょう。

予約時の事前決済にしておくことで、体験レッスンなどの急なキャンセルのリスクを減らすこともできますし、払う側もクレジットカードなどのキャッシュレス決済を利用できるメリットがあります。

決済システムの中には、決済以外の入会管理やスケジュール管理機能も含んでいるサービスもあるため、開業時に導入しておくと、事務作業を減らすことができ、開業の忙しい時期に「教える」業務そのものに集中しやすくなるメリットがあります。

開業届の提出

個人事業主になる場合、税務署に開業届を提出する必要があります。これにより融資や助成金の申請、事業納税などが可能になります。
また、事務所・事業所の新設や増設・移転・廃止する場合や、事業を廃止する場合にも提出が必要になりますので、覚えておきましょう。

提出期限と提出場所

開業日から1ヵ月以内に、自宅住所を管轄する最寄りの税務署に提出します。

提出方法

開業届の提出方法は現状では以下の方法があります。

  1. 税務署へ直接提出する
  2. 郵送(返信用封筒も同封)
  3. e-taxを利用して提出する

なお、お手続き方法や必要書類については変更がある場合もございますので、詳細は「国税庁のホームページ」にてご確認の上、管轄の税務署の指定に従ってください。

お菓子作り教室の集客方法

お菓子作り教室を開業する準備が整ったら、生徒を集める必要があります。

最初は紹介や口コミなどで始める場合も多いですが、以下の対応を行っておくと、新規のお客様も検討がしやすく安心です。

ホームページやSNSアカウントを活用する

教室に関する情報をインターネットで公開しておくことは集客にとても効果的です。

ホームページ上では、生徒に信頼してもらえるよう経歴や指導方針を公開しましょう。毎週のレッスンの予定や内容も掲載しておくことで、生徒は、自分が通える時間帯に教室が開講しているのかを確認することができます。

HPの作成方法は業者に依頼する方法から、サーバーを借りて自分で作成する方法まで様々ありますが、「Goope」など、テンプレートを選んで簡単にHPを作成できるサービスもあるので、調べてみましょう。

HPの作成には以下の記事も参考にしてみてくださいね。

また、どのようなお菓子を作れるのか、成果物の情報がとても大切になってきますので、Instagramやfacebookなどの、写真を公開できるSNSと相性が良いと言えるでしょう。日頃から作っているお菓子の写真やレシピを投稿しておくことでファンを増やすことができ、教室の集客にもつながるのでおすすめです。

チラシを作成する

オンライン以外の方法でレッスンを実施する場合、生徒になる見込みがある方は教室の近くにいます。そのため、物理的なチラシを配布することも有効な集客手段の一つです。

地域の商店街やスーパーマーケット、コミュニティセンターなど、多くの人が集まる場所にチラシを配布することで、周辺地域の人々に教室の存在を知ってもらうことができます。チラシには、教室の特長や料金、アクセス方法などをわかりやすく記載し、興味を引くデザインや写真を使うことが大切です。

体験レッスンや単発レッスンを実施する

複数回通うことをメインとする教室を開業する場合にも、1回限りの体験レッスンを実施し、教室の雰囲気やレッスンの進め方を知ってもらえるようにしましょう。

体験レッスンの予約には、前述のホームページのお問合せフォームを利用するほか、SNSのメッセージ機能や、教室のLINEアカウントを活用する方法もあるので、ぜひ検討してみてくださいね。

紹介制度を用意する

個人のお菓子作り教室の場合、友人や知人からの紹介はとても信頼度が高く、新規生徒が教室に興味を持ちやすくなります。さらに、紹介者自身も特典や割引を得ることができるようにしておくと、双方にメリットが生まれるため、教室側が大きな労力をかけなくても集客ができます。

まとめ

お菓子作り教室を始める場合、なにか特別な資格や許可は必要ありません。もちろん、製菓に関する知識や資格やパティシエとしての経験があれば、生徒の信頼に繋がり、集客に有利になるでしょう。この記事では、お菓子作り教室を始める際に必要な資格や場所選び、集客方法など、開業に必要な準備や手順を解説しました。

これからお菓子作りを「教える」ことにチャレンジしてみたいみなさんに、少しでもお役に立てると幸いです。

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一人で教室をはじめる場合、集金やスケジュール管理などの事務作業を不安に感じる方もおおいでしょう。
GMOレンシュを導入することで、受講料のお支払いのキャッシュレス化(クレジットカード払い・コンビニ払い・口座振替)に対応できたり、生徒向けのお知らせや予定共有を専用のアプリケーションの開発などは不要で導入することができ、運営者様が「教える」ことにより時間を使えるようになります。

月額利用料は定額で、生徒数によって変動することがないため、これから教室を始める場合にも安心して導入いただけます。「教える」にチャレンジしてみる際には、ぜひ一度導入をご検討くださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。