開業ノウハウ

個人塾の開業、何から始める?準備や集客の方法を解説!

開業ノウハウ

文部科学省が発表した「令和3年度子供の学習費調査」(※1)によると、中学生の通塾率は公立中学校に通う子どもが70.4%、私立中学校に通う子どもが53.9%となっており、公立・私立を問わず、半数以上の中学生が塾に通っているというデータがでています。

塾といっても、大手の進学塾から、学校で習う内容の復習や予習を目的とした塾までさまざまですが、カリキュラムの独自性や先生の人となりなどの魅力から人気を集めている個人の塾も多くあります。また、地域に根づいた個人塾は地域コミュニティへの貢献という意味でも重要な役割を持っています。

もしあなたが、何かを教えることが好きだったり、自分の経験や知識を誰かに還元したいという熱意を持っている場合、個人塾の開業は一つの選択肢となるでしょう。

この記事では、個人塾の開業に必要な準備や資金、集客方法のポイントについて解説していきます。

(※1)参考:文部科学省「令和3年子供の学習費調査

記事を読むとわかること

  • 個人塾の開業にはどんな資格や準備が必要か
  • 個人塾の集客方法

個人塾の開業にはどんな資格が必要?

個人塾を開業する際になにか特定の資格は必要ありません。

ただ、もちろん生徒に授業ができるだけの知識・教養は必要ですし、教員免許などの資格や経験を持っていることは、生徒からの信頼を得るのにとても有効といえます。そのほか、生徒と接するうえでは、心理学の知識もとても役に立つでしょう。

また、資格を一度取って終わりというわけではなく、定期的に知識をアップデートすることも必要です。開業の前には、熱意や敬意を持って、継続的に生徒と関わる覚悟があるか、また、どんな先生になりたいのか(または、どんな先生を雇うのか)、一度考えてみたうえで準備をはじめるとよいでしょう。

個人塾の開業準備

それでは、実際に塾を開業する場合に必要な準備を見ていきましょう。

コンセプトを決める

個人塾とひとくくりに言っても、様々な形態があります。まずは、どんな塾を開業したいのか、書き出してみましょう。

一般的にコンセプトを決める場合には、「誰に」「何を」「どのように」の3つの要素から決めていくとわかりやすいと言われています。

  1. 誰に(ターゲット)
  2. 何を
  3. どのように
1. 誰に小学生 / 中学生 / 高校生 / 大学生
2. 何を・学校の復習メイン
・受験対策
・教科をしぼるのか など
3. どのように・集団指導
・個別指導
・少人数指導
個人塾のコンセプトの例

場所を決める

コンセプトが定まったら、それを実現できる教室の場所を探します。

自宅で開業する

個人塾の一番手頃で始めやすい手段として、自宅で開業するという方法があります。メリットとデメリットは以下のようなものが挙げられます。

メリット

  • 初期費用を抑えられるのでリスクが小さい
  • 物件に関する固定費を抑えられる
  • 少ない資金で開業できる
  • 自宅の光熱費などを経費計上可能になる

デメリット

  • スペースによって生徒数が限られる
  • 自宅が賃貸物件の場合、開業できない可能性がある
  • 自宅の場所や先生のプライベートが公開されてしまう
  • 家族や同居人からの理解が必要

テナントや賃貸物件を契約する

2つめに、教室の開業のためにテナントを契約する方法もあります。
メリットとデメリットは以下のようなものが挙げられます。

メリット

  • 専用の空間を用意できるため、生徒が集中できる
  • 教室の独自性を出しやすい
  • 信頼性を担保しやすく、保護者も安心して通わせることができる
  • 学校の多い地域の駅前など、集客に有利な場所を選ぶことができる

デメリット

  • 初期費用が大きくなってしまう
  • 家賃や光熱費などの維持コストがかかる
  • 辞めるときにもリスクを伴う   

オンラインや家庭教師からはじめる

自宅や賃貸物件などで場所を設けて始める以外にも、オンライン指導や家庭教師として小さく始めてみる方法もあります。この場合、初期費用などを抑えてリスクを小さく始めることができるので、例えばまずは副業でやってみたいという方にも比較的始めやすいです。

オンライン授業の代表的なツールは以下のようなものがあります。

  • Google meet
  • ZOOM
  • Microsoft teams

どれも無料ではじめることができるので、まずは試してみるとよいでしょう。

オンライン授業は費用を抑え気軽に始めることが可能な方法ですが、生徒の反応が見づらかったり、直接添削ができないため、実施にはオンライン独自の技術が必要とも言えます。教室の生徒や講師の特性に合わせて、教室にあった運営方法を選択しましょう。

開業資金を確保する

開業資金は、2で決めた教室の場所をはじめ、さまざまな要因によって異なります。一般的にかかるお金の内訳としては、以下のようなものが挙げられます。

テナントの初期契約や改装、賃貸費

自宅で開業する場合にはこのコストを抑えることができます。

教材や教具、家具などのの購入費

教科書や机と椅子のほか、集団の授業の場合は生徒のロッカーや黒板またはホワイトボードなどが必要になります。また、印刷機器やインターネット環境なども忘れずに揃えておきましょう。

広告・宣伝費

開業時や運営初期には、生徒募集のための広告や宣伝活動にまとまった費用を用意しておくと安心です。チラシ作成や印刷、ウェブサイトの構築、SNS広告などが含まれます。

大まかな目安として、自宅で個人塾を開業する場合や、オンラインで始める場合には、開業資金を抑えて、30万〜50万円ほどからでも始めることができるでしょう。ただ、もし開業にあわせて自宅の改装などを考える場合には、その費用もかかってきます。

また、テナントを借りて0から始める場合には300万〜500万円ほどの資金準備が必要だと言われています。

授業料と徴収方法を決める

ある程度教室の方向性が定まってきたら、授業料と徴収方法を決めましょう。個人塾の場合、月謝制を導入することがほとんどですが、そのほか個別の授業や、オンライン授業などを追加で受けることができるようにしておくと、単価アップに繋がります。

また、料金が決まったら、徴収方法も決める必要があります。

生徒が10〜20人程度であれば、現金での徴収・管理も可能ですが、生徒側に現金を持ち運ぶ負担や、大きなお金であればクレジットカードで払いたいと言った希望もあるため、ここで決済システムの導入を検討しておくとよいでしょう。

決済システムの中には、決済以外の入会管理やスケジュール管理機能も含んでいるサービスもあるため、開業時に導入しておくと、事務作業を減らすことができ、開業の忙しい時期に、「教える」業務そのものに集中しやすくなるメリットがあります

開業届の提出

個人事業主になる場合、税務署に開業届を提出する必要があります。これにより融資や助成金の申請、事業納税などが可能になります。
また、事務所・事業所の新設や増設・移転・廃止する場合や、事業を廃止する場合にも提出が必要になりますので、覚えておきましょう。

提出期限と提出場所

開業日から1ヵ月以内に、自宅住所を管轄する最寄りの税務署に提出します。

提出方法

開業届の提出方法は現状では以下の方法があります。

  1. 税務署へ直接提出する
  2. 郵送(返信用封筒も同封)
  3. e-taxを利用して提出する

なお、お手続き方法や必要書類については変更がある場合もございますので、詳細は「国税庁のホームページ」にてご確認の上、管轄の税務署の指定に従ってください。

個人塾の集客方法

教室を開業する準備が整ったら、生徒を集める必要があります。お金をかけて広告を出す方法もありますが、比較的安価に試すことができる方法を以下で紹介しているので、是非参考にしてみてくださいね。

Googleビジネスプロフィールを登録する

インターネットでの集客方法はさまざまな方法がありますが、まずは無料のGoogleビジネスプロフィールに登録し、Google検索やGoogleマップ上で運営している個人塾が表示されるようにすることからはじめてみるのがよいでしょう。

なぜなら、オンラインがメインではない場合、個人塾の主なターゲットは開講している地域に関わっている方になるからです。そういった方々が「送り迎えをしやすい家の近くで子どもを塾に通わせたい」と感じた際「渋谷 塾」のような検索ワードで検索することが予測できます。

無料で簡単に集客効果が期待できるので、まずはGoogleビジネスプロフィールへの登録にチャレンジしてみてください。

ホームページを作成する

教室名を検索したときに、情報がまとまって参照できるホームページが表示されると、保護者や生徒はとても安心することができます。ホームページ上では、生徒に信頼してもらえるよう先生の経歴や指導方針、授業のスケジュールなどを公開しましょう。

また、個人塾を始めようと思われる方の中には、文章を書くことが好きだったり、得意な方も多いかと思いますので、たとえばブログやnoteなどで勉強法や塾に関する情報を発信することも、間接的に集客につながっていくでしょう。

体験レッスンや期間限定の講習を実施する

個人塾を選ぶとき、多くの人は先生との相性や、授業のスピードが自分と合っているかなどを事前に知りたいと思います。そのため、体験レッスンは、教室の雰囲気や指導方法を直接感じることができる、非常に効果的な集客策です。

レッスン終了後には丁寧なフォローアップを行い、正式な入会を促すキャンペーンや割引を提供するとよいでしょう。

また、春休みや夏休みなど、学校が休みの期間中は最も塾を探している方が多いシーズンです。春期講習や夏期講習などのメニューを用意し、学校があっている期間は塾に通っていない生徒を獲得できるように準備しましょう。

まとめ

個人塾は、誰かに何かを教えたいという熱意があれば、特別な施設や資格が不要でだれでも始めることができます。ただもちろん、開業後も長く続けていくために、教室運営に関する知識や、継続した知識のアップデート、生徒とのコミュニケーション能力が必要です。授業を通して生徒と向き合い、信頼関係を結ぶことができれば、長く通ってくれる生徒とも出会える、とてもやりがいのある仕事でしょう。

この記事では、個人塾を始める際の場所選びや資金、集客方法など、開業に必要な準備や手順を解説しました。

これから「教える」ことにチャレンジしてみたいみなさんに、少しでもお役に立てると幸いです。

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チーム・教室のための連絡集金サービス「GMOレンシュ」は、習い事運営に発生する事務作業を効率化することができるサービスです。運営業務をスムーズに、「教えること」に時間を使うというミッションのもと機能開発を行なっており、「集金」「連絡」「予定管理」「受講者管理」といった、習い事運営に役立つ機能が一通り揃っています。

個人塾のように、一人ではじめる教室の場合、事務作業に多く時間を取られてしまうと、生徒と向き合う時間が必然的に削られてしまいます。かといって経理や事務作業の担当者を雇うと人件費や管理の面でも負担が大きくなってしまうため、開業当初はなかなか難しいものです。


GMOレンシュを導入することで、受講料のお支払いのキャッシュレス化(クレジットカード払い・コンビニ払い・口座振替)に対応できたり、受講者向けのお知らせや予定共有を専用のアプリケーションの開発などは不要で導入することができ、運営者様が「教える」ことにより時間を使えるようになります。

月額利用料は定額で、生徒数によって変動することがないため、これから塾を始める場合にも安心して導入いただけます。

「教える」にチャレンジしてみる際には、ぜひ一度導入をご検討くださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。