数ある習いごとの中でも、老若男女広く人気のあるのがピアノです。小さい頃から音楽に触れることで、音感やリズム感を身につけられたり、楽譜を読めるようになったりと、大人になってからも役立つ力を養うことができます。
大手のピアノスクールや音楽教室も人気ですが、指導方針や先生の雰囲気に惹かれて個人のピアノ教室を選ぶ方も多いのではないでしょうか。
最近ではオンラインで通うことができる教室も増えてきています。
この記事では、「これからピアノを教えてみたい」、「独立してピアノ教室を開業したい」という方向けに、ピアノ教室の開業に必要な準備や、教室運営の方法について解説していきます。
記事を読むとわかること
- ピアノ教室の開業にはどんな資格や準備が必要か
- ピアノスクールの集客や運営で気をつけるポイント
ピアノ教室の開業にはどんな資格が必要?
「ピアノ教室の開業には資格が必要?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ピアノ教室の開業には特別な資格は必要ありません。
ピアノを教えるだけの技術と知識をお持ちで、「ピアノを教えてみたい」「ピアノ教室の先生になりたい」という熱意があれば、だれでもピアノ教室を開くことができます。
ただ、もちろん、生徒に教えるだけの技術や知識は必要です。音楽に関する資格やコンテストでの入賞歴をもっていたり、有名な音楽大学を卒業していたりすると、受講者に信頼して教室を選んでもらう一助となるでしょう。
また、実際にピアノを教えるには、ピアノそのものの技術だけではなく、カリキュラムを考えたり、生徒とコミュニケーションを取る力も必要になってきます。そのため、自分で開業する前に、音楽教室などで講師として働きながら、資金面でも技術面でもピアノ教室の独立開業準備をしていく方法を取るのもよいでしょう。
ピアノ教室の開業準備
それでは、実際にピアノ教室を開業する場合に必要な作業を見ていきましょう。
コンセプトを決める
あなたは、どんな教室を開きたいですか?まずは教室のコンセプトを設定することが大切です。
一般的にコンセプトを決める場合には、「誰に」「何を」「どのように」の3つの要素から決めていくとわかりやすいと言われています。
- 誰に(ターゲット)
主にどんな層に対してスクールを提供したいのか - 何を
ターゲットがスクールを通してどんなニーズや欲求を満たすのか - どのように
ニーズや便益をどのような方法や技術で満たすのか(練習内容や実施頻度など)
「誰に(ターゲット)」は、例えば以下のような内容が考えられます。
- 子ども向け(小学生・中学生・高校生)
- 音大受験向け
- 大人向け
「何を」には、例えば以下のような内容が考えられます。
- 音楽に触れることを楽しむレッスン
- スキルアップやコンクールを目標とする指導
- 生徒が好きな曲を持ち込んでのレッスン
「どのように」では、例えば以下のような内容を定めておくとよいでしょう。
この内容は前述のターゲット層と「何を」目標とするのか、から考えていくと定めやすいです。
- レッスンの頻度
- レッスンの人数
場所を決める
コンセプトが定まったら、それを実現できる環境を整えていきましょう。
特にピアノ教室の場合、部屋の防音性が重要です。周辺住民の方に迷惑をかけないよう、防音に関する確認は必ず行うようにしましょう。
具体的な方法としては以下のようなものが考えられます。
自宅で開業する
ピアノ教室を開く中で一般的な方法のひとつが、自宅で開業することです。すでに自宅にピアノがあり、防音設備も整っているという場合、初期費用をかなり抑えて開業することができます。
メリット
- 初期費用を抑えられるのでリスクが小さい
- 物件に関する固定費を抑えられる
- 通いやすさから、自宅近隣に住む生徒を獲得することができる
- 自宅の光熱費などを経費計上可能になる
デメリット
- 自宅の場所や先生のプライベートが公開されてしまう
- スペースによって生徒数が限られる
- 自宅が賃貸物件の場合、開業できない可能性がある
- 家族や同居人、近隣住民からの理解が必要
テナントや賃貸物件を契約する
2つめに、教室の開業のためにテナントを契約する方法もあります。
防音性の高いスペースを確実に提供できるほか、駅近などの通いやすい場所でテナントを借りられたり、教室の独自性を出しやすかったりといったメリットも多くありますが、初期費用や維持費がかかってしまうため、リスクも大きくなります。
また、マンションの1室などの賃貸物件を借りる際には、ピアノを搬入できる経路があるか、防音設備を設けられるかなどを事前にチェックするようにしましょう。
メリット
- プライベートと仕事を分けることができる
- レッスンや教室のスケジュールを自分で決められる
- 教室の独自性を出しやすく、ブランディングにもなる
- 生徒の多いエリアを狙って開業できる
デメリット
- 初期投資が高額になってしまう
- ランニングコストが発生する
- 開業まで時間がかかる
レンタルスペースや公民館などの時間貸しのスペースを活用する
また、時間貸しのスペースを活用して教室を行う方法もあります。楽器店など、ピアノのあるスペースを貸し出している場合もありますが、営利目的の利用ができない場合も多いため、必ず確認するようにしましょう。
メリットとデメリットは以下のようなものが挙げられます。
メリット
- 初期費用を抑えることができる
- 人数に合わせて、スペースを柔軟に確保できる
- 必要なときだけ場所を借りられるため、赤字リスクが少ない
デメリット
- 都度予約をする手間がかかる
- 施設が利用できない場合、レッスンを実施できない
- 営利目的での利用が制限される場合がある
そのほか:訪問レッスンやオンラインレッスンについて
そのほかの方法として、教室を持たず、先生が生徒の自宅へ訪問してレッスンをしたり、オンラインでレッスンを行う方法もあります。また、オンライン授業や訪問レッスンを、通常のレッスンなどと組み合わせて提供することで、教室の独自性を出すこともできます。
オンライン授業の代表的なツールは以下のようなものがあります。
- Google meet
- ZOOM
- Microsoft teams
どれも無料ではじめることができるので、まずは試してみるとよいでしょう。
教室の生徒や講師の特性に合わせて、教室にあった運営方法を選択しましょう。
開業資金を確保し、必要な備品を用意する
開業資金は、2で決めた教室の場所をはじめ、さまざまな要因によって異なります。
一般的には以下のような資金が必要で、自宅で開業する場合は10万〜200万円、テナントを借りて0から始める場合には最低でも300万〜500万円ほどの資金準備が必要です。
- 施設費用
- ピアノや楽器の購入費用
- 教材や楽譜の購入費用
- 広告宣伝費用
また、光熱費等のランニングコストが月にどれくらいかかるのかも計算し、必要な売上を毎月確保できるようにレッスン数やレッスン金額の計画を立てましょう。
開業届の提出
個人事業主になる場合、税務署に開業届を提出する必要があります。これにより融資や助成金の申請、事業納税などが可能になります。
また、事務所・事業所の新設や増設・移転・廃止する場合や、事業を廃止する場合にも提出が必要になりますので、覚えておきましょう。
提出期限と提出場所
開業日から1ヵ月以内に、自宅住所を管轄する最寄りの税務署に提出します。
提出方法
開業届の提出方法は現状では以下の方法があります。
- 税務署へ直接提出する
- 郵送(返信用封筒も同封)
- e-taxを利用して提出する
なお、お手続き方法や必要書類については変更がある場合もございますので、詳細は「国税庁のホームページ」にてご確認の上、管轄の税務署の指定に従ってください。
ピアノ教室の集客方法
教室を開業する準備が整ったら、生徒を集める必要があります。
最初は親しい人や既存の生徒からの紹介で集める方法もおすすめですが、検討中のかたが教室の情報を得られるよう、以下のような準備を事前に行っておきましょう。
ホームページを作成する
ホームページは、ピアノ教室を広く知ってもらうための重要なツールです。
ホームページを作成することで、教室の情報やレッスン内容を詳細に伝えることができます。また、講師の人となりや教室の雰囲気を知ってもらうため、レッスンに関するブログや先生の経歴に関するページを用意してみるのもよいでしょう。
「ブログになにをかいたら・・・」と思われるかもしれませんが、先生の日常のことやレッスンで心がけていることなどを発信するだけでも、受講者さんの教室選びの不安を解消することができ、おすすめです。
SNSアカウントを作成する
また、ホームページを最初から作成することがハードルに感じる場合、InstagramなどのSNSアカウントや、LINEビジネスアカウントを活用する方法もあります。
日々の教室風景を写真や動画で見せると、事前に教室の雰囲気を感じてもらうことができるので、集客の後押しとなるでしょう。
なお、生徒の写真や動画を利用する場合には、必ず生徒や保護者に掲載の許可を取るようにしましょう。
Googleマップへ登録する
オンラインレッスン以外の教室の場合、教室の近くに住んでいる方にどれだけ知ってもらえるかがとても大切になります。そのため、Googleビジネスプロフィールに登録し、Google検索やGoogleマップ上で教室が表示されるようにしておくのも効果的です。
登録は無料でできるので、教室を開業したら、ぜひレッスンの時間や連絡先などを登録しておきましょう。
体験レッスンを実施する
体験レッスンを実施することで、教室へ興味を持っている人々に教室の雰囲気や指導内容を体験してもらう機会を提供することができます。
体験レッスン終了後には丁寧なフォローアップを行い、正式なクラスへの入会を促すキャンペーンや割引を提供することも有効です。
体験レッスンの予約には、前述のホームページのお問い合わせフォームを利用するほか、SNSのメッセージ機能や、教室のLINEアカウントを活用する方法もあるので、ぜひ検討してみてくださいね。
まとめ
ピアノ教室は大人から子供まで長く人気のある習いごとで、大人になってから習い始める人も多く、最近ではオンラインでの受講も増えています。ピアノの先生になるために特別な資格は不要ですが、適切な指導を行うため、ピアノの技術やコミュニケーション能力が必要です。
この記事では、教室の場所選びや開業準備、集客方法など、ピアノ教室を始めるまでに必要な準備や手順を解説しました。
これからピアノを「教える」ことにチャレンジしてみたいみなさんに、少しでもお役に立てると幸いです。
GMOレンシュのご紹介
ここまで、ピアノ教室の開業についてご紹介しましたが、開業後も教室の運営には、集金や生徒の情報管理、連絡や予定の管理など、さまざまな事務作業が発生します。
チーム・教室のための連絡集金サービス「GMOレンシュ」は、ピアノ教室などの習いごと運営に発生する事務作業を効率化することができるサービスです。
運営業務をスムーズに、「教えること」に時間を使うというミッションのもと機能開発を行なっており、「集金」「連絡」「予定管理」「受講者管理」といった、習字教室の運営に役立つ機能が一通り揃っています。
GMOレンシュを導入することで、受講料のお支払いのキャッシュレス化(クレジットカード払い・コンビニ払い・口座振替)に対応できたり、受講者向けのお知らせや予定共有を専用のアプリケーションの開発などは不要で導入することができます。
月額利用料は定額で、生徒数によって変動することがないため、これから教室を始める場合にも安心して導入いただけます。
「教える」にチャレンジしてみる際には、ぜひ一度導入をご検討くださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。