開業ノウハウ

写真教室をはじめるには?相談できる機関やコンセプト決めのアイデアをご紹介!

開業ノウハウ

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)が公開している統計データによると、2023年のデジタルカメラの世界出荷額は5%増加し、3年連続でのプラスでした。国内だけでも4%増加という結果で、スマートフォンが普及してもまだまだカメラの需要はあるといえるでしょう。

カメラ市場の環境が好調のため、これから写真撮影の技術を学びたいという需要も高まっていくでしょう。カメラメーカーが運営している教室やプロの写真家が主宰している教室などもあり、市場の拡大とともに、今後は教室間の競争が激しくなることも予想されます。

本記事では、これから写真教室を開業しようと考えている方々に向け、安心して手続きを進められるように開業手順をまとめています。最後までお読みいただければ幸いです。

写真教室の開業手順

開業手順を説明する前に、写真教室のレッスン提供方法について紹介いたします。写真教室の経営を開始する方法は以下のような方法があります。

写真教室のレッスン提供方法

自前のスタジオでのレッスン

ひとつめにご自身の撮影スタジオで写真教室を経営する方法があります。

物件を契約する場合は物件の契約費に追加して、機材費が必要になるため初期投資が高額になります。ただ、教室としての運営だけでなく、レンタルスタジオとして貸し出すことも可能だったり、ご自身のワークスペースとしても活用可能だったりするため、収益源の幅が広がることがメリットとして挙げられます。

メリット
  • レッスンのたびに機材を移動させる必要がない
  • ご自身のスタジオとしても利用可能
  • スタジオを貸し出すことが可能
デメリット
  • 初期投資が高額になりやすい
  • 維持費がかかる

レンタルスタジオでのレッスン

レンタルスタジオを借りてレッスンを行う方法では、初期投資を抑えることが可能です。また、レッスンがある時だけスタジオを借りるため、赤字のリスクが少ないことがメリットとして挙げられます。その代わりに、スタジオにない機材は都度用意する必要がある、予約の手間が発生する、などのデメリットも挙げられます。

メリット
  • 初期投資を抑えられる
  • 維持費が必要ないため赤字のリスクが少ない
デメリット
  • 移動の手間がかかる
  • スタジオにない機材は自身で用意する必要がある
  • 都度予約の手間が発生する

屋外でのレッスン

風景撮影を得意としている講師の場合は、屋内のスタジオにとらわれずに「野外レッスン」も可能です。桜や紅葉の時期に合わせての撮影会、野鳥撮影など特定の需要に合わせてレッスン・イベントを開催することで一定の受講生を集めることも可能でしょう。

場所によっては管理団体の許可が必要な場合もあるので、事前に確認しておきましょう。

メリット
  • 季節の需要に合わせたイベント、レッスンを開催することが可能
  • 物件の固定費が必要ない
  • 照明などのカメラ以外の機材が必要ない
デメリット
  • 企画の発信力が必要
  • 場所によっては管理団体の許可が必要

以上のように、さまざまな方法で写真教室を開くことができます。スタジオでは写真撮影の技術だけでなく、レタッチについてもレッスンすることも可能です。ご自身の強みを活かしたレッスンの提供を検討していきましょう。

写真教室の授業形式について

写真教室には、主に講義型と個別指導型の2つの授業形式があります。それぞれの特徴を解説します。

講義型

この形式では、一度に複数の受講生に対して授業が行われます。講師は自分のペースで教えることができ、効率的な指導が可能です。

ただし、質問の時間が限られているため、全ての生徒が授業内容についていけるとは限りません。その結果、一部の生徒にとっては理解が追いつかなくなったり、逆に簡単すぎたりしてしまい、満足度の低下につながる可能性もあります。

初心者向けのクラスなどを用意するなど、能力別にクラスを複数用意することがおすすめです。

個別指導型

個別指導型では、受講生一人ひとりのペースと理解度に合わせて授業が進められます。受講生は自分の疑問点を直接講師に尋ねやすく、よりパーソナライズされた学習が可能です。

一回あたりの授業での収入は講義型よりも少ないですが、個別指導型に参加する受講生は熱意が高い傾向にあるため、満足度を高めることができれば長期的なレッスンにつながります。

ターゲットを明確にする

続いて、写真教室のターゲットを明確にしましょう。ターゲットを明確にすることでさまざまなメリットがあります。

  1. 獲得の効率化: 明確なターゲットを持つことで、マーケティング活動がよりターゲットに合わせて最適化できます。ターゲットのニーズが具体的になるため、獲得効率を上げることができます。
  2. 授業内容の最適化: 特定のターゲット層に合わせて、授業の内容をカスタマイズできます。これにより、授業の効率や満足度が向上します。
  3. ブランディング: 特定のターゲット層に特化することで、教室の独自性を確立し、他の教室との差別化が可能になります。
  4. 口コミの増加: 満足度が向上した受講生からの好意的な口コミを得ることによって、さらに受講生を集めることにつながります。

ターゲットは、大まかには以下のような内容が考えられます。

  • 子ども向けなのか大人向けなのか
  • 初心者向けなのか経験者向けなのか
  • 小学生、中学生、高校生、社会人向け

また、写真教室ならではのターゲットとしては以下のようなものも考えられるでしょう。

  • 被写体が物体なのか、人物なのか、風景なのか
  • 被写体には動きがあるか
  • 特定ブランドのカメラに特化している
  • 一眼レフ、ミラーレスなどカメラの種類

どのような層をメインターゲットにするかによって教室の雰囲気やコンセプト、授業内容が変わるため、ターゲットについては慎重に定めましょう。

コンセプトを明確にする

どういった層をターゲットにするかによって、どのような写真教室にしていくかが変わります。独自のコンセプトを持つことは開業後の事業の成長に大きく影響するでしょう。コンセプトを深めていくためにいくつかのアイデアを紹介します。

  1. グループワークを主軸にレッスンする: 写真撮影の技術向上を複数人での活動を通じて教えることで、楽しみながら学ぶ体験の提供につながります。
  2. 特定の技術に特化する: 特定のカメラ、照明のセッティング、特定の被写体、レタッチの技術などの特定の領域に重点を置いたコースを提供します。これにより、特定の分野に興味を持つ方を惹きつけることができます。

レッスン内容を定める

ターゲットとコンセプトが定まったら、続いてレッスンの内容を定めます。興味のある被写体や技術の習熟度別にクラスを複数用意するなどがあります。講師の専門性も考慮しながら慎重にレッスン内容を定めましょう。

開業手続きを進める

開業する際には、多くの手続きが必要となります。個人事業主と法人で手続きが異なるなど、不慣れな場合は手続きが煩雑になってしまいます。また、物件を契約する際には初期費用などの支払いに資金が必要となり、多くのケースで融資が必要となります。

開業手続きや融資の相談先については、下記の記事にて詳しく解説しております。開業だけでなく事業成長の相談をしてくれる公的機関も紹介しておりますので合わせてお読みください。

教室へ集客する

教室の開業後、安定した経営のためには集客が不可欠です。

最初は紹介や口コミなどで始める場合も多いですが、以下の対応を行っておくと、新規のお客様も検討がしやすく安心です。

ホームページやSNSアカウントを活用する

教室に関する情報をインターネットで公開しておくことは集客にとても効果的です。

ホームページ上では、見込み客に信頼してもらえるよう講師の経歴や指導方針を公開しましょう。毎週のレッスンの予定や内容も掲載しておくことで、自分が通える時間帯に教室が開講しているのかを確認することができます。また、どういった技術が学べるのか、体験教室はあるのかといった情報も掲載しておきましょう。

ホームページの作成方法については、以下の記事にてさまざまな方法を紹介しているのでこちらも参考にしてみてくださいね。

まとめ

写真教室の開業では、コンセプトなどの事業の解像度が高まった段階で、公的機関に相談するのがおすすめです。法律、労務、集客方法などさまざまな観点で相談をすることができます。

写真教室を開業したあと、受講生がある程度増えてくると集金やスケジュール調整などの事務作業の負担、リスクが大きくなってきます。GMOレンシュはコーディングなどの専門知識は不要で教室・スクール運営を楽にする機能が多く揃っているので、教室の運営効率を改善していきたいと思っている方は、ぜひ検討してみてください。

GMOレンシュの紹介

チーム・教室のための連絡集金サービス「GMOレンシュ」では、運営業務をスムーズに、「教えること」に時間を使うというミッションのもと機能開発を行なっています。GMOレンシュの特徴として集金・連絡・予定機能があり、教室で発生する事務作業の多くをペーパーレス・自動化できるという特徴が挙げられます。スマートフォンさえあれば、管理することが可能なので、場所を問わず運営することが可能です。

GMOレンシュではクレジットカード決済・コンビニ払い・口座振替で生徒が月謝の支払いをすることができます。単発課金や継続課金の機能もあるので、払い忘れを防ぐことが可能です。また、生徒側で自動支払い設定をしておくことで、自動で支払いが行われます。未払いの際には期日前に自動で催促を行います。期日後の未払い金に関しても、いつでもボタンひとつで督促の連絡を行なってくれるため担当者の心理的負担を軽減することが可能です。

レッスンやイベントの情報を登録すると、自動的に受講者にお知らせされます。LINEでもメールでも連絡が一括されるので、漏れなく対象の会員に連絡することが可能です。