開業ノウハウ

セルフネイルスクールを開業するには?開業申請の手続きや気をつけたいポイントについて解説!

開業ノウハウ

近年、ネイルサロンをはじめとする消費者向けのネイル産業は緩やかに拡大の傾向にあります。コロナ禍の影響で一時は縮小もしましたが回復の兆しが見えてきています。また、ネイルサービスを提供する施設数はコロナ禍の影響時も上昇しており、市場はこれからも拡大していくでしょう(※)。

そんな中、自分自身のネイルの技術を教えることができるスクールを持ちたい、という方も多いのではないでしょうか。直近では、セルフネイルもトレンドになっているため、独学ではなくプロから習いたいという方も増加傾向にあります。

この記事では、セルフネイルスクールを個人でこれから開業したいという方向けに開業の手順をまとめてみました。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。なお、本記事の内容は資格取得を目的としたネイルスクールの開業を考えている際には適しませんのであらかじめご留意ください。

(※)引用元:ネイル白書2023

セルフネイルスクールを開業するのに資格は必要?

結論から申し上げると、セルフネイルスクールを開業するために資格は必要ありません(※)。
ただし、ネイリストとしての技術向上や、サロンの信頼を高めるために以下の資格を取得しておくと有利に働く場面が多いでしょう。

(※)プロのネイリストを目指している方向けの資格取得を目的としたネイルスクールの場合、所定の団体から認定を受ける必要があります。

  • ネイリスト技能検定
  • JNAジェルネイル技能検定
  • JNA認定ネイルサロン衛生管理士
  • JNA認定講師

資格は不要でも、講師として未経験からいきなり独立するのはとても難しいでしょう。サロンでしっかりと経験を積み、実績を積んだ上で独立を考えるのが現実的です。

ネイルサロンで働きつつ、週末や夜間のみ、個人でセルフネイルスクールを開くことも一つの手でしょう。セルフネイルスクールを運営していくためには、ネイルの技術だけではなく、「教える」技術や経営のノウハウも必要になるため、準備期間を設けた上で独立を考えていくのが安全でしょう。

セルフネイルスクールの開業準備

開業手順を説明する前に、ネイルスクールの講師になるまでの開業パターンについて紹介します。ネイルスクールをはじめる方法は以下のようなものがあります。

ネイルスクールの開業パターンについて

ネイルサロンと併設してセルフネイルスクールを開業する

ネイルサロンを経営している場合、こちらの方が費用が抑えられるため一般的といえます。ネイルサロンに予約が入ってない時間を有効活用することも可能です。スペースにもよりますが、レッスンの形式は少人数制になる場合が多いでしょう。

イベントスペースを利用してレッスンを実施する

次にイベントスペースを借りてレッスンを実施するパターンです。こちらも費用を抑えることができるというメリットがあります。

メリット
  • 費用を抑えられるのでリスクが小さい
  • 少ない資金で開業できる
  • 広いスペースを用意できる
デメリット
  • 予約の手間がかかる
  • 移動が発生するため機材の持ち運びが大変

自宅を利用してセルフネイルスクールを開業開業する

次に自宅を利用する方法もあります。もちろん制約もありますが、いくつかのメリットもあります。

メリット
  • 初期費用を抑えられるのでリスクが小さい
  • 物件に関する固定費を抑えられる
  • 少ない資金で開業できる
  • 自宅の光熱費などを経費計上可能になる
デメリット
  • スペースによって生徒数が限られる
  • 自宅が賃貸物件の場合、開業できない可能性がある
  • 自宅の場所を公開する必要がある
  • 生徒にプライベートの一部が知られてしまう
  • 家族や同居人からの理解が必要

オンライン

最後にオンラインで開業する方法もあります。上記の方法と比べて、圧倒的に手間と費用を抑えられるのが魅力です。メリットとデメリットは以下の通りです。

メリット
  • 初期費用が抑えられる
  • 撮影機材のみ用意すれば、その後はコストがかからない
  • エリアを問わずに全国の生徒をレッスンできる
デメリット
  • 細かくレッスンできないため、満足度を高めにくい
  • 生徒が定着しにくい
  • 競合が多いため、集客が難しい
  • レッスン単価をあげにくい

オンライン指導ではライバルが多いという点と満足度を上げづらいため、差別化を図っていくのが難しいという側面があります。一方で、コストが低いというメリットもあるため、オフラインでファンを作り、アップセルとしてオンライン講座も開いていくなどの戦略を考えるのも良いかもしれません。

セルフネイルスクールの開業手順

セルフネイルスクールの開業手順は以下のステップとなります。

  1. レッスン内容を定める
  2. システムの選定
  3. 固定費を洗い出す
  4. 料金を定める
  5. 開業関連の手続きを進める

レッスン内容を定める

物件によって、実際に提供するレッスンの内容は大きく影響を受けます。そのため、物件決めと同時にどのようなレッスンを提供するか決めていくのがよいでしょう。

まずはレッスンの提供方式について考えてみましょう。

グループレッスン

グループレッスンは講師一人に対して複数人でレッスンを行う方式のことです。メリットとデメリットは以下のようなものが挙げられるでしょう。

メリット
  • コミュニティの形成につながるので解約率を下げられる
  • レッスン開催あたりの売上が高い
  • レッスン料金を安く設定できる
デメリット
  • スペースが必要
  • 運営方法によってはスケジュール調整が必要
  • 個人ロッカーが必要な場合がある

メリットに挙げているコミュニティの形成に関しては、場合によって受講生同士のトラブルにつながる可能性もあるので利用規約やルールを事前に定めましょう。

また、グループレッスンとひとくちに言っても、3名程度の少人数制にするなど、人数で差別化することも可能なので周囲の競合他社を研究しながら人数を設定するのもよいでしょう。

個人レッスン

個人レッスンでは講師と受講者が1対1でレッスンをおこないます。

メリット
  • 細かく指導できるので、満足度の向上につながる
  • 受講生の状態やレベルに合わせた指導ができる
  • スペースを抑えられる
  • 一度に一人しか教室に来ないため、個人ロッカーがなくても運営が可能
  • 受講生のプライバシーを守ることができる
デメリット
  • レッスン料金が高くなる
  • 受講生と講師の相性で満足度低下につながる場合がある
  • キャンセルがあった場合、レッスンが実施できない
  • 希望する枠で予約が取れない場合が多くなってしまう

つづいて、ターゲットを定めます。ターゲットによってレッスン内容や何時頃にレッスンを行うのかを変えていくことで効率的に受講生を獲得していくことが可能です。あくまで一例ですが以下に例をまとめておきます。

ターゲット別のレッスン内容のアイデア

ターゲット例レッスン内容例
主婦日中にレッスンをおこなう
会社員夕方以降にレッスンをおこなう
初心者簡単なレッスンをおこなう
道具を貸し出す
経験者難易度の高いレッスンをおこなう

ステップ1の物件決めによってもレッスン内容は影響されるので、レッスン内容と物件決めは同じタイミングで考えてみるのがおすすめです。

システムの選定

運営業務にはレッスン以外でも、集客や決済、会員管理、日程調整などの業務が発生します。運営業務を効率的に行っていくためにも、事前に外部システムを検討するのがおすすめです。もちろん、最初から有料のシステムを導入する必要はなく、無料で利用できるGoogle Workspace Essentials Starterのようなサービスから考えるのがよいでしょう。

あくまでも、システムの導入の目的は「運営業務を効率的にする」がほとんどのため、すべての運営業務において、開業タイミングでシステムを導入する必要はありません。

一方で経営リスクを減らすために、システムを導入するという観点があります。例として、紙での入会管理や現金での月謝管理などがあります。それぞれ、情報漏洩や金銭トラブルにつながるため、可能な限り早めにオンラインサービスへの移行を検討するのがよいでしょう。

料金を定める

家賃やレンタル料金、外部システム導入での固定費を洗い出すことができたら、続いてレッスンの料金を定めます。

いままでのステップで定めたターゲットやレッスン方式などにも影響されますが、経営を持続させるために必要な収益を確保するという視点と開業するエリアの相場を加味して、一回あたりの料金を決めましょう。また、集客のためには広告費も必要になるため、事前に設備費と運転費ごとにコストの洗い出しと回収見通しを立ててから料金を決めるようにしましょう。

開業について公的機関に相談する

開業にあたっては多くの書類や手続きが必要です。そのため、開業をする際には公的機関に相談するのがおすすめです。無料で相談ができる窓口としては、主に以下の5つの公的機関が挙げられます。

開業の相談を無料でできる窓口
  • 税務署
  • 商工会・商工会議所
  • よろず支援拠点
  • 中小企業基盤整備機構
  • 日本政策金融公庫

質の高い相談をするためには、事前に明確な事業の内容、具体的な事業計画・資金計画をまとめておくことが必要です。本記事で紹介した内容や各公的機関が公開している要件を参考にして、開業の解像度をあらかじめ高くしておきましょう。

個人事業主の場合でも、法人設立の場合でも開業する際にはさまざまな手続きと書類の提出が必要です。場合によっては、罰せられる可能性もあるので注意が必要です。

詳しくはこちらの記事にもまとめているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

まとめ

セルフネイルスクールの開業は自宅やネイルサロン、レンタルスペースなどの場所でおこなうことができます。どんな場所で開業するかによって初期費用や運転資金が異なるので、事前に必要なお金を洗い出すことが大事です。

事業の解像度が高まった段階で、実際に開業する際には公的機関に相談するのがおすすめです。法律、労務、集客方法などさまざまな観点で相談をすることができます。

開業したあと、生徒がある程度増えてくると集金やスケジュール調整などの事務作業の負担、リスクが大きくなってきます。
GMOレンシュはコーディングなどの専門知識は不要で教室・スクール運営を楽にする機能がたくさん揃っているので、スクールの運営効率を改善していきたいと思っている方は、ぜひ検討してみてください。

GMOレンシュの紹介

チーム・教室のための連絡集金サービス「GMOレンシュ」では、運営業務をスムーズに、「教えること」に時間を使うというミッションのもと機能開発を行なっています。GMOレンシュの特徴として集金・連絡・予定機能があり、運営で発生する事務作業の多くをペーパーレス・自動化できるという特徴が挙げられます。スマートフォンさえあれば、管理することが可能なので、場所を問わず運営することが可能です。

GMOレンシュではクレジットカード決済・コンビニ払い・口座振替で生徒が月謝の支払いをすることができます。単発課金や継続課金の機能もあるので、払い忘れを防ぐことが可能です。また、生徒側で自動支払い設定をしておくことで、自動で支払いが行われます。未払いの際には期日前に自動で催促を行います。期日後の未払い金に関しても、いつでもボタンひとつで督促の連絡を行なってくれるため担当者の心理的負担を軽減することが可能です。

レッスンやイベントの情報を登録すると、自動的に受講者にお知らせされます。LINEでもメールでも連絡が一括されるので、漏れなく対象の会員に連絡することが可能です。ぜひ、検討してみてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました!