開業ノウハウ

編み物教室をはじめるには?開業に必要な準備や集客に役立つノウハウを紹介!

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編み物が得意で、すでにニットや手袋などの編み物作品を販売されているというかたや、知人や近所の方へ何度か編み物を教えたことがある、というかたの中には、実際に編み物講師としての活動を考えている方も少なくないのではないでしょうか。

とはいえ、実際に教室を開いて教えることは、単発のワークショップや知人のみに教えることとは異なり、事前の準備や集客に関する努力も必要になってきます。せっかく憧れの編み物教室をはじめても、長く続かなかったり、生徒が集まらない・・・といったことのないよう、事前準備をしっかりして、編み物教室の開業をすすめましょう。

この記事では、編み物教室の開業にあたり必要な準備や、集客に役立つノウハウを紹介しています。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

記事を読むとわかること

  • 編み物教室の開業に必要な準備
  • 編み物教室の集客に重要なポイント

編み物教室をはじめるのに資格は必要?

まず最初に気になる点として、編み物教室を開業するのに特別な資格は必要なのでしょうか。

結論から言うと、編み物教室を始めるのに、必要な資格はありません。

ただ、もちろん編み物を教えるだけの技量や知識があることや、生徒とコミュニケーションを取る力は必要になります。

未経験でいきなり独立するのは不安、というかたは、カルチャーセンターや手芸用品店で講師を募集している場合があるので、独立を見据えてこのような方法にチャレンジしてみるのも有効な手段です。また、本業の傍ら、週末や夜間のみ、イベントやワークショップなどで教える方法もあります。

ハンドメイドのイベントなどでワークショップ枠を募集していることもあるので、最初の一歩としてこういった場で編み物を教えることにチャレンジしてみるのもよいでしょう。

編み物教室の開業準備

実際に編み物教室を開業すると決めた場合に必要な準備をみていきましょう。

コンセプト・授業形態を決める

編み物教室とひとくくりに言っても、様々な形態があります。

一般的にコンセプトを決める場合には、「誰に」「何を」「どのように」の3つの要素から決めていくとわかりやすいと言われています。

  1. 誰に(ターゲット)
  2. 何を
  3. どのように

具体的には以下のような内容です。

1. 誰に未就学児/小学生/中学生/高校生/大人
2. 何を・編み方や作るもののジャンル
・レッスンの目的
 ・その場を楽しむことを目的としたレッスン
 ・趣味としての編み物を学びたい方向けのレッスン
 ・編み物講師になりたい方向けの高度な技術のレッスン など
3. どのようにグループレッスン/マンツーマンレッスン
グループの場合、最大人数や、時間配分
単発のレッスンなのか、複数回通うものにするのか
そのほか、オンラインレッスンなどの独自のカリキュラムを取り入れるか
編み物教室のコンセプトの例

また、1〜3は独立しているものではなく、それぞれが関連しています

たとえば2で教えたいものがニットなどの時間のかかる大きな作品の場合、1回のレッスンではどうしても完成まで持っていくことができないでしょう。その場合、複数回のレッスンにしたり、お家で編んでくることを前提とし、質問会のようなかたちでレッスンを利用したりする方法も考えられます。

コンセプトが具体的であればあるほど、教室の成功度は高くなります。ぜひ楽しむ気持ちで、自分の理想の教室についてあれこれ考えてみましょう。

場所を決める

コンセプトが定まったら、それを実現できる教室の場所を探します。

自宅で開業する

編み物教室の一番手頃で始めやすい手段として、自宅で開業するという方法があります。すでにアトリエとしてある程度のスペースを自宅に構えている場合や、一軒家の持ち家があるという場合などには、自宅で始めることで初期費用を抑えることが可能です。メリットとデメリットは以下のようなものが挙げられます。

メリット

  • 初期費用を抑えられるのでリスクが小さい
  • 物件に関する固定費を抑えられる
  • 少ない資金で開業できる
  • 自宅の光熱費などを経費計上可能になる

デメリット

  • スペースによって生徒数が限られる
  • 自宅が賃貸物件の場合、開業できない可能性がある
  • 自宅の場所や先生のプライベートが公開されてしまう
  • 家族や同居人からの理解が必要

レンタルスペースや公民館などの時間貸しのスペースを活用する

ふたつめに、公民館や集会所、市民センターなどの時間貸しのスペースを活用して教室を行う方法があります。机や椅子などの備品を貸し出している場合もあり便利ですが、営利目的に利用が行えない場合もあるので注意しましょう。近くにそういった施設があれば、まずは利用方法を問い合わせてみるとよいでしょう。

メリットとデメリットは以下のようなものが挙げられます。

メリット

  • 初期費用を抑えることができる
  • 人数に合わせて、スペースを柔軟に確保できる
  • 必要なときだけ場所を借りられるため、赤字リスクが少ない

デメリット

  • 都度予約をする手間がかかる
  • 場所が空いていない場合、レッスンを実施できない
  • レッスンごとに必要な画材や道具を持ち込む必要がある
  • 画材などで汚れる恐れがあるため、対策が必要

テナントや賃貸物件を契約する

3つめに、教室の開業のためにテナントを契約する方法もあります。
予約などをきにせず、生徒が集中できる場所を提供できるメリットがありますが、初期費用や維持費がかかってしまうため、リスクも大きくなります。

そのため、一般的には、自宅やレンタルスペースで生徒や講師が集まり、一定規模を超えてきたタイミングで検討するのが良いでしょう。

オンラインでレッスンを行う

最近ではオンラインで受講できる編み物教室も増えています。場所に関する初期投資が少ないので、こちらも低リスクで始めることができる方法です。ただ、その分、配信機材などの準備は必要になってきます。

オンライン授業の代表的なツールは以下のようなものがあります。

  • Google meet
  • ZOOM
  • Microsoft teams

どれも無料ではじめることができるので、まずは試してみるとよいでしょう。

オンラインのレッスンは費用を抑え気軽に始めることが可能な方法ですが、その分差別化が難しい形態です。オンラインで始める際には、「個人レッスンで丁寧に進められる」「ここでしか学べないメニューがある」等、ほかの教室との差別化ポイントをさらに強く持っておくとよいでしょう。

開業資金を確保する

開業資金は、2で決めた教室の場所をはじめ、さまざまな要因によって異なります。一般的にかかるお金の内訳としては、以下のようなものが挙げられます。

場所に関連する費用(改装費・水道光熱費・賃料などを含む)

編み物教室を行うための場所を用意するための費用です。自宅で開業する場合、賃料や初期費用などを抑えることが可能です。

レッスンに必要な道具、備品の費用

最初に決めた教室のコンセプトにもよりますが、教える内容に合わせた道具の準備が必要です。編み物に必要な道具は生徒側に準備してもらうことも可能ですが、毛糸などの消耗品は教室でも購入できるようにしておくと安心感に繋がります。

また、忘れがちなのがホワイトボードやバインダー、プリンターなどの、編み物には直接関係しないが、教室として授業を教える場合に必要な物品です。このあたりは、一度授業を身近な方にデモンストレーションで行ってみると、一連の流れを通して洗い出すことができるのでおすすめです。

広告・宣伝費

開業時や運営初期には、生徒募集のための広告や宣伝活動にまとまった費用を用意しておくと安心です。チラシ作成や印刷、ウェブサイトの構築、SNS広告などが含まれます。最初は知り合いのみで始める場合は、集客も口コミや紹介をメインとして、広告宣伝費を抑えることも可能です。

また、開業に必要な資金については開業時に補助を受けることができる場合もあります。
ここまでの方向性が定まってきたら、一度無料相談窓口などで起業の相談をすることもおすすめです。

詳細については以下の記事もご確認ください。

レッスン料と徴収方法を決める

ある程度教室の方向性が定まってきたら、レッスン料と徴収方法を決めましょう。編み物教室の場合、単発で授業を行う場合と、月謝制を導入する場合があります。

ターゲットが主婦や会社員の方で、毎週同じ時間に来られないかたも多いという場合には、チケット制にして、来れる時間に集まった人で編み物を行うといった方式もあるようですので、参考にしてみてくださいね。

グループレッスンの場合、1回あたりのレッスン料の相場は2,000円〜5,000円、月謝にすると8,000円〜20,000円程度となっていますが、地域や対象の年齢、教える内容によっても異なるため、開業の際には近くの教室や、同じようなカリキュラムを提供しているスクールの料金体系を調べておくようにしましょう。

レッスン料の相場は、カリキュラムの内容や指導のレベルによっても異なるため、迷ったら1で決めたコンセプトを見直してみましょう。専門性の高い技術の習得を目標とする場合や、個人のレッスンの場合には相場があがる傾向にあります。

また、料金が決まったら、徴収方法も決める必要があります。
月謝の徴収方法には以下のような方法があり、それぞれのメリット・デメリットを記事内でも紹介しています。

開業届の提出

個人事業主になる場合、税務署に開業届を提出する必要があります。これにより融資や助成金の申請、事業納税などが可能になります。
また、事務所・事業所の新設や増設・移転・廃止する場合や、事業を廃止する場合にも提出が必要になりますので、覚えておきましょう。

提出期限と提出場所

開業日から1ヵ月以内に、自宅住所を管轄する最寄りの税務署に提出します。

提出方法

開業届の提出方法は現状では以下の方法があります。

  1. 税務署へ直接提出する
  2. 郵送(返信用封筒も同封)
  3. e-taxを利用して提出する

なお、お手続き方法や必要書類については変更がある場合もございますので、詳細は「国税庁のホームページ」にてご確認の上、管轄の税務署の指定に従ってください。

編み物教室の集客方法

教室を開業する準備が整ったら、生徒を集める必要があります。まずは知人から教えていったり、親しい人の紹介で生徒を増やす方法もありますが、規模を拡大していきたい場合には以下も試すとよいでしょう。

ホームページやSNSアカウントを活用する

教室に関する情報をインターネットで公開しておくことは集客にとても効果的です。

ホームページ上では、生徒に信頼してもらえるよう講師の経歴や指導方針を公開しましょう。毎週のレッスンの予定や内容も掲載しておくことで、生徒は、自分が通える時間帯に教室が開講しているのかを確認することができます。

HPの作成方法は業者に依頼する方法から、サーバーを借りて自分で作成する方法まで様々ありますが、「Goope」など、テンプレートを選んで簡単にHPを作成できるサービスもあるので、調べてみましょう。

HPの作成方法は以下の記事も参考にしてみてくださいね。

また、編み物教室では、どんな作品を作ることができるのか、成果物の情報がとても大切です。そのため、Instagramやfacebookなどの、写真を公開できるSNSと相性が良いと言えるでしょう。
教室内の出来事以外にも、先生の作品の情報や、ほかのアーティストのかたの個展やイベントの情報など、コンセプト設計でターゲットとして定めた方が興味のある情報を発信していくことで、将来の生徒さんたちに出会いやすくなります。

チラシを作成する

オンライン以外の方法でレッスンを実施する場合、生徒になる見込みがある方は教室の近くにいます。そのため、物理的なチラシを配布することも有効な集客手段の一つです。

地域の商店街やスーパーマーケット、コミュニティセンターなど、多くの人が集まる場所にチラシを配布することで、周辺地域の人々に編み物教室の存在を知ってもらうことができます。チラシには、教室の特長や料金、アクセス方法などをわかりやすく記載し、興味を引くデザインや写真を使うことが大切です。

体験レッスンや単発レッスンを実施する

複数回通うことをメインとする教室を開業する場合にも、1回限りの体験レッスンを実施し、教室の雰囲気やレッスンの進め方を知ってもらえるようにしましょう。2時間程度で出来上がる簡単な編み物作品など、なにか1つテーマを定めて教室を開くと、人が集まりやすくなるでしょう。

体験レッスンの予約には、前述のホームページのお問合せフォームを利用するほか、SNSのメッセージ機能や、教室のLINEアカウントを活用する方法もあるので、ぜひ検討してみてくださいね。

紹介制度を用意する

個人の教室の場合、友人や知人からの紹介はとても信頼度が高く、新規生徒が教室に興味を持ちやすくなります。さらに、紹介者自身も特典や割引を得ることができるようにしておくと、双方にメリットが生まれるため、教室側が大きな労力をかけなくても集客ができます。

まとめ

編み物教室は、特別な資格が不要で始めることができるため、編み物が好きだったり、人に何かを教えることが楽しい!という方を中心に開業を検討されることが多いでしょう。

ただもちろん、開業後も長く続けていくために、経営の知識や編み物の技術は必須です。編み物は、一度身につけると体力などを気にせず長く楽しめる趣味であるため、生徒さんとの付き合いもきっと長くなることでしょう。教室のコンセプトを大切に、長く続けていくためにも、自分にあった教室の運営方法をみつけることが最初の大切なポイントになります。

この記事では、編み物教室の開業に必要な手続き、集客方法などを解説しました。

これから編み物を「教える」ことにチャレンジしてみたいみなさんに、少しでもお役に立てると幸いです。

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1人で始める小規模な教室の場合、経理作業や事務作業などに先生が追われてしまうと、カリキュラムの内容を良くする時間や生徒と向き合う時間がどうしても削られてしまい、本末転倒です。

GMOレンシュを導入することで、受講料のお支払いのキャッシュレス化(クレジットカード払い・コンビニ払い・口座振替)に対応できたり、受講者向けのお知らせや予定共有を専用のアプリケーションの開発などは不要で導入することができます。

月額利用料は定額で、生徒数によって変動することがないため、これから教室を始める場合にも安心して導入いただけます。

「教える」にチャレンジしてみる際には、ぜひ一度導入をご検討くださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。