開業ノウハウ

書道教室を開業するには?必要な資格や準備について解説

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字が綺麗に書けるというのはそれだけで大きな財産であり、書道教室は、子どもに通わせたい教室として長く人気のある習いごとです。子どものころ通っていた方も多いのではないでしょうか。字が綺麗に書けるようになるだけではなく、集中力をアップさせたり、正しい姿勢を身につけたりする効果もあり、子どもだけではなく大人向けの習いごととしても人気があります。

また、近年ではオンラインで習うことができる書道教室も増えてきています。

教える側としても、書道教室は比較的小さなスペースでも始めやすく、特別な設備が必要ないため、過去に書道・習字を習って段位を取得された方の中では、「書道を教えてみたい」「習字教室の先生になりたい」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、書道教室の開業に必要な準備や、教室運営の方法について解説していきます。

書道教室の開業にはどんな資格が必要?

「書道教室の開業には資格や師範の認定が必要なの?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、書道教室の開業に資格や免許は必要ありません。「書道を教えてみたい」「習字教室の先生になりたい」という気持ちがあれば、だれでも書道教室を開くことができます。

ただ、もちろん、資格や師範の認定を持っていることは、生徒の安心にも繋がり、先生の経歴は教室選びの重要な指標にもなります。
そのため、開業を考えている方は、自分のスキルアップや集客のためにも、段位を取得し、師範の認定を取ることを検討してみるとよいでしょう。

書道教室の開業準備

それでは、実際に書道教室を開業する場合に必要な準備を見ていきましょう。

コンセプトを決める

あなたは、どんな教室を開きたいですか?まずは教室のコンセプトを設定することが大切です。

一般的にコンセプトを決める場合には、「誰に」「何を」「どのように」の3つの要素から決めていくとわかりやすいと言われています。

  1. 誰に(ターゲット)
    主にどんな層に対して教室を提供したいのか
  2. 何を
    ターゲットが教室を通してどんなニーズや欲求を満たすのか
  3. どのように
    ニーズや便益をどのような方法や技術で満たすのか(授業の内容や実施頻度など)

「誰に(ターゲット)」は、例えば以下のような内容が考えられます。

  • 子ども向け(小学生・中学生・高校生)
  • 大人向け

「何を」には、例えば以下のような内容が考えられます。

  • 硬筆なのか毛筆なのか
  • 段位取得などの実力アップをメインとするのか、受講者が楽しむことをメインとするのか

「どのように」では、例えば以下のような内容を定めておくとよいでしょう。
この内容は前述の「ターゲット層」と「何を」目標とするのか、から考えていくと定めやすいです。

  • レッスンの頻度
  • レッスンの人数

場所を決める

コンセプトが定まったら、それを実現できる環境を整えていきましょう。

書道は机があればどこでも始めることができますが、生徒が集中してレッスンを受けることができるよう、周辺環境の騒音や部屋の明るさにも注意して選ぶ必要があるでしょう。

具体的な方法としては以下のようなものが考えられます。

自宅で開業する

一番手頃で始めやすい手段として、自宅で開業するという方法があります。メリットとデメリットは以下のようなものが挙げられます。

メリット

  • 初期費用を抑えられるのでリスクが小さい
  • 物件に関する固定費を抑えられる
  • 少ない資金で開業できる
  • 自宅の光熱費などを経費計上可能になる

デメリット

  • スペースによって生徒数が限られる
  • 自宅が賃貸物件の場合、開業できない可能性がある
  • 自宅の場所や先生のプライベートが公開されてしまう
  • 家族や同居人からの理解が必要

レンタルスペースや公民館などの時間貸しのスペースを活用する

ふたつめに、公民館や集会所、市民センターなどの時間貸しのスペースを活用して教室を行う方法があります。畳の部屋があったり、大きな机を貸し出している場合もあるので、近くにそういった施設があれば、まずは利用方法を問い合わせてみるとよいでしょう。

メリットとデメリットは以下のようなものが挙げられます。

メリット

  • 初期費用を抑えることができる
  • 人数に合わせて、スペースを柔軟に確保できる
  • 必要なときだけ場所を借りられるため、赤字リスクが少ない

デメリット

  • 都度予約をする手間がかかる
  • 場所の予約ができず、レッスンを実施できない場合がある
  • レッスンごとに必要な備品を持ちこむ必要がある

テナントや賃貸物件を契約する

3つめに、教室の開業のためにテナントを契約する方法もあります。
生徒に集中できるスペースを確実に提供できるほか、教室の独自性を出しやすいといったメリットも多くありますが、初期費用や維持費がかかってしまうため、リスクも大きくなります。

そのため、一般的には、自宅やレンタルスペースで生徒や講師が集まり、一定規模を超えてきたタイミングで検討するのが良いでしょう。

オンライン

最後に、オンラインで教室を行う方法もあります。
オンライン授業の代表的なツールは以下のようなものがあります。

  • Google meet
  • ZOOM
  • Microsoft teams

どれも無料ではじめることができるので、まずは試してみるとよいでしょう。

オンライン授業は費用を抑え気軽に始めることが可能な方法ですが、生徒の反応が見づらかったり、直接添削ができないため、実施にはオンライン独自の技術が必要とも言えます。

教室の生徒や講師の特性に合わせて、教室にあった運営方法を選択しましょう。

必要な備品を用意する

会場の目処がたったら、教室に必要な備品を揃えておきましょう。

代表的なものは以下のようなものがあります。

  • 書道用具
  • 教材
  • (レンタルスペースや自宅の場合)会場を汚れないようにするためのカーペットや布
  • 集金袋

書道用具や教材は生徒に購入してもらう方法もあります。現金でレッスン費用を集める場合には集金袋が必要ですが、オンライン集金や口座振替を活用する場合には不要です。子どもが集金袋を持ち歩くというのはどうしても保護者は心配に感じてしまいます。受講者とのトラブルの原因や煩雑な事務作業に繋がってしまうため、教室運営の効率化を図るタイミングで、ぜひ集金サービスの導入を検討してみましょう。

開業届の提出

個人事業主になる場合、税務署に開業届を提出する必要があります。これにより融資や助成金の申請、事業納税などが可能になります。
また、事務所・事業所の新設や増設・移転・廃止する場合や、事業を廃止する場合にも提出が必要になりますので、覚えておきましょう。

提出期限と提出場所

開業日から1ヵ月以内に、自宅住所を管轄する最寄りの税務署に提出します。

提出方法

開業届の提出方法は現状では以下の方法があります。

  1. 税務署へ直接提出する
  2. 郵送(返信用封筒も同封)
  3. e-taxを利用して提出する

なお、お手続き方法や必要書類については変更がある場合もございますので、詳細は「国税庁のホームページ」にてご確認の上、管轄の税務署の指定に従ってください。

書道教室の集客方法

教室を開業する準備が整ったら、生徒を集める必要があります。親しい人の紹介や、会場として借りているスペースの掲示板やチラシなどで生徒を増やす方法もありますが、規模を拡大していきたい場合には以下も試すとよいでしょう。

ホームページやSNSアカウントを作成する

教室に関する情報をインターネットで公開しておくことは集客にとても効果的です。

ホームページ上では、生徒に信頼してもらえるよう講師の経歴や指導方針を公開しましょう。毎週のレッスンの予定や内容も掲載しておくことで、生徒は、自分が通える時間帯に教室が開講しているのかを確認することができます。

また、ホームページを最初から作成することがハードルに感じる場合、InstagramなどのSNSアカウントを活用する方法もあります。

生徒たちの作品や日々の教室風景を写真や動画で見せると、事前に教室の雰囲気を感じてもらうことができるので、集客の後押しとなるでしょう。

体験レッスンを実施する

習字教室を選ぶとき、多くの人は実際に体験してみたいと思います。

体験レッスンは、教室の雰囲気や指導方法を直接感じることができるため、非常に効果的な集客策です。体験レッスンでは、特に初心者に向けて、習字の楽しさを感じてもらえるような内容を用意することが大切です。

具体的には、書道の基本姿勢や筆の持ち方を丁寧に教え、簡単な文字を書いてもらい、完成した作品は持ち帰り可能にすると喜ばれるでしょう。また、レッスン終了後には丁寧なフォローアップを行い、正式なクラスへの入会を促すキャンペーンや割引を提供することも有効です。

体験レッスンの予約には、前述のホームページのお問い合わせフォームを利用するほか、SNSのメッセージ機能や、教室のLINEアカウントを活用する方法もあるので、ぜひ検討してみてくださいね。

まとめ

書道教室は子どもから大人まで人気のある習いごとで、最近ではオンラインでの受講も増えています。開業には資格や免許は不要ですが、師範の認定があると信頼度がアップします。

この記事では、教室の場所選びや備品の準備、集客方法など、開業に必要な準備や手順を解説しました。

これから書道を「教える」ことにチャレンジしてみたいみなさんに、少しでもお役に立てると幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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