習い事の一つとして、アクセサリー作りや裁縫、木彫りやブリサーブドフラワーなど、なにかものづくりを始めてみたいというかたは多いのではないでしょうか。
最近では、それぞれのものづくりの技術に関する本がたくさん出ていたり、動画などで作り方を紹介されている方も増えていますが、実際にものづくりの技術を持っている方に教わりたい!というかたは多く、ハンドメイドやものづくりのイベントでも、ワークショップブースはたいへんな賑わいを見せています。
この記事では、手芸・ハンドメイドの教室の開業にあたり必要な申請や準備・集客方法について解説しています。
あなたがハンドメイド作家として活動していて、その技術を「教える」活動にもチャレンジしてみたい!と思ったら、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
記事を読むとわかること
- ハンドメイド・手芸講師になるための方法
- ハンドメイド・手芸教室の開業に必要な準備・申請
- ハンドメイド・手芸教室の集客方法
ハンドメイド・手芸教室をはじめるのに資格は必要?
まず最初に気になる点として、ハンドメイド・手芸教室を開業するのに特別な資格は必要なのでしょうか。
結論から言うと、ハンドメイド・手芸教室を始めるのに、必要な資格はありません。
ただ、もちろん人に教えるだけの技術や知識があることや、生徒とコミュニケーションを取る力は必要になります。また、教える作品のジャンルにもよりますが、たとえば芸術や美術に関連する学校の卒業歴があることや、関連する資格をもっていると生徒からの信頼度が上がり、集客にも有利になります。
未経験でいきなり独立するのは不安、というかたは、カルチャーセンターや手芸用品店で講師を募集している場合があるので、独立を見据えてこのような方法にチャレンジしてみるのも有効な手段です。また、本業の傍ら、週末や夜間のみ、イベントやワークショップなどで教える方法もあります。
ハンドメイドのイベントなどでワークショップ枠を募集していることもあるので、最初の一歩としてこういった場で教えることにチャレンジしてみるのもよいでしょう。
ハンドメイド・手芸教室の開業準備
開業手順を説明する前に、手芸やハンドメイド講師になるまでの開業パターンについて紹介します。ハンドメイド教室をはじめる方法は以下のようなものがあります。
ハンドメイド・手芸教室の開業パターンについて
自分の教室を持ち、定期的に授業を行うケース
ハンドメイド・手芸の講師になる場合、最初に想像するのが自分で教室を持って生徒へ教える方法です。こちらの記事でも、教室の開業を主に紹介しています。教室の形態にもよりますが、自分で決めたスケジュールで活動しやすく、価格なども自分で決めやすいといったメリットがあります。
イベントや学校などで講師として授業を行うケース
教室として定期的に開催せず、イベントでワークショップを開催したり、手芸の学校などで外部講師として活動する方法もあります。この場合は拠点を持たず、講師料やイベントの参加費用などが売上となります。教室を持たないため、初期費用を比較的抑えられるといったメリットがあります。ただし、知名度がない場合などは集客に苦戦する場合もあり、粘り強く活動していく必要があります。
ハンドメイド・手芸教室の授業形式について
ハンドメイド・手芸の教室の授業形式として、代表的なものは以下のようなものがあります。
定期的な授業型
週1回を3ヶ月、半年など、定期的に授業を行う方式です。特定の技術の習得を目標としたり、大掛かりな作品の制作を行う場合などに適しています。
授業全体を通して何を学ぶことができるのかの設計から、各授業ごとの目標なども定める必要があります。
単発のワークショップ型
最初に始めやすい授業形態の一つに、単発のワークショップがあります。1回の授業で作品の完成を目指すので、初心者でも参加しやすく、集客のハードルが低いです。
単発のワークショップから、定期的な授業型へ切り替えられるようにしておく方法もあります。
持ち寄り作業型
特定の授業を行わず、受講者それぞれが集まって自分のカリキュラムに沿って制作を行い、必要なときに講師がアドバイスを行うといった自習方式のレッスンもあります。個人授業が複数並行して実施されるようなかたちなので、講師の負担が大きくなってしまいますが、生徒同士のコミュニケーションも生まれつつ、それぞれのペースでそれぞれに合ったことが学べるといったメリットもあるようです。
オンライン授業型
最近では、オンラインで授業を行うハンドメイド・手芸教室も増えています。講師側は教室の場所にかかる費用を負担する必要がないため、初期費用を比較的抑えられるメリットがあります。受講者側も、家事や育児の合間に学ぶことができるといった時間や場所のメリットもあるので、一度検討してみると良いでしょう。
オンラインレッスンの具体的な準備方法は以下の記事でも解説しています。
コンセプトを決める
開業方法や授業形態がわかったところで、具体的なコンセプトを定めていきましょう。
一般的にコンセプトを決める場合には、「誰に」「何を」「どのように」の3つの要素から決めていくとわかりやすいと言われています。
- 誰に(ターゲット)
- 何を
- どのように
具体的には以下のような内容です。
1. 誰に | 子ども向け/大人向け(年代や仕事などのライフスタイルはどのような方が中心か?) |
2. 何を | ・作るもののジャンル ・レッスンの目的 ・その場を楽しむことを目的としたレッスン ・趣味としてハンドメイドを学びたい方向けのレッスン ・作品の販売を目的とした高度な技術のレッスン など |
3. どのように | グループレッスン/マンツーマンレッスン グループの場合、最大人数や、時間配分 単発のレッスンなのか、複数回通うものにするのか そのほか、オンラインレッスンなどの独自のカリキュラムを取り入れるか |
また、1〜3は独立しているものではなく、それぞれが関連しています。
たとえば2で教えたいものがの時間のかかる大きな作品の場合、1回のレッスンではどうしても完成まで持っていくことができないでしょう。その場合、複数回のレッスンにしたり、お家での作業を前提とし、先述した持ち寄り作業型のようなかたちでレッスンを行う方法も考えられます。
コンセプトが具体的であればあるほど、教室の成功度は高くなります。ぜひ楽しむ気持ちで、自分の理想の教室についてあれこれ考えてみましょう。
場所を決める
コンセプトが定まったら、それを実現できる教室の場所を探します。
ハンドメイド・手芸教室の場合、以下のような方法があります。
- 自宅で開業する
- レンタルスペースや公民館などの時間貸しのスペースを活用する
- テナントや賃貸物件を契約する
それぞれ初期費用やランニングコストが大きく異なるため、開業資金や規模に応じて検討してみましょう。
開業届の提出
個人事業主になる場合、税務署に開業届を提出する必要があります。これにより融資や助成金の申請、事業納税などが可能になります。
また、事務所・事業所の新設や増設・移転・廃止する場合や、事業を廃止する場合にも提出が必要になりますので、覚えておきましょう。
提出期限と提出場所
開業日から1ヵ月以内に、自宅住所を管轄する最寄りの税務署に提出します。
提出方法
開業届の提出方法は現状では以下の方法があります。
- 税務署へ直接提出する
- 郵送(返信用封筒も同封)
- e-taxを利用して提出する
なお、お手続き方法や必要書類については変更がある場合もございますので、詳細は「国税庁のホームページ」にてご確認の上、管轄の税務署の指定に従ってください。
なお、開業手続きや融資の相談先については、下記の記事にて詳しく解説しています。開業だけでなく事業成長の相談をしてくれる公的機関も紹介しているので、あわせてぜひ読んでみてくださいね。
ハンドメイド・手芸教室の集客方法
教室を開業する準備が整ったら、生徒を集める必要があります。まずは知人から教えていったり、親しい人の紹介で生徒を増やす方法もありますが、規模を拡大していきたい場合には以下も試すとよいでしょう。
ホームページやSNSアカウントを作成する
教室に関する情報をインターネットで公開しておくことは集客にとても効果的です。
ホームページ上では、生徒に信頼してもらえるよう講師の経歴や指導方針を公開しましょう。毎週のレッスンの予定や内容も掲載しておくことで、生徒は、自分が通える時間帯に教室が開講しているのかを確認することができます。
HPの作成方法は業者に依頼する方法から、サーバーを借りて自分で作成する方法まで様々ありますが、「Goope」など、テンプレートを選んで簡単にHPを作成できるサービスもあるので、調べてみましょう。
HPの作成方法は以下の記事も参考にしてみてくださいね。
また、手芸教室では、どんな作品を作ることができるのか、成果物の情報がとても大切です。そのため、Instagramやfacebookなどの、写真を公開できるSNSと相性が良いと言えるでしょう。
教室内の出来事以外にも、先生の作品の情報や、ほかのアーティストのかたの個展やイベントの情報など、コンセプト設計でターゲットとして定めた方が興味のある情報を発信していくことで、将来の生徒さんたちに出会いやすくなります。
体験レッスンやワークショップを活用する
複数回通うことをメインとする教室を開業する場合にも、1回限りの体験レッスンを実施し、教室の雰囲気やレッスンの進め方を知ってもらえるようにしましょう。2時間程度で出来上がる簡単な作品や夏休み等長期休暇に合わせた家族向けのワークショップなど、なにか1つテーマを定めて教室を開くと、人が集まりやすくなるでしょう。
体験レッスンの予約には、前述のホームページのお問合せフォームを利用するほか、SNSのメッセージ機能や、教室のLINEアカウントを活用する方法もあるので、ぜひ検討してみてくださいね。
まとめ
ハンドメイド・手芸教室は、特別な資格が不要で始めることができるため、ものづくりが好きだったり、人に何かを教えることが楽しい!という方を中心に開業を検討されることが多いでしょう。
ただもちろん、開業後も長く続けていくために、経営の知識やものづくりの技術は必須です。教室のコンセプトを大切に、長く続けていくためにも、自分にあった教室の運営方法をみつけることが最初の大切なポイントになります。
この記事では、ハンドメイド・手芸教室の開業に必要な手続き、集客方法などを解説しました。
これからものづくりを「教える」ことにチャレンジしてみたいみなさんに、少しでもお役に立てると幸いです。
GMOレンシュのご紹介
チーム・教室のための連絡集金サービス「GMOレンシュ」は、ハンドメイド・手芸教室など、様々な習いごと教室運営に発生する事務作業を効率化することができるサービスです。
運営業務をスムーズに、「教えること」に時間を使うというミッションのもと機能開発を行なっており、「集金」「連絡」「予定管理」「受講者管理」といった、教室の運営に役立つ機能が一通り揃っています。
運営母体である「GMOペパボ」は、ハンドメイド作品の販売ができる『minne』を運営しており、長年インターネットサービスを運営してきた安心感もあります。
1人で始める小規模な教室の場合、経理作業や事務作業などに先生が追われてしまうと、カリキュラムの内容を良くする時間や生徒と向き合う時間がどうしても削られてしまい、本末転倒です。GMOレンシュを導入することで、受講料のお支払いのキャッシュレス化(クレジットカード払い・コンビニ払い・口座振替)に対応できたり、受講者向けのお知らせや予定共有を専用のアプリケーションの開発などは不要で導入することができます。
これから「教える」にチャレンジしてみる際には、ぜひ一度導入をご検討くださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。