コーヒースクールを開業するには?コンセプトの決め方や開業手順についても解説!

開業ノウハウ

昨今、大手のカフェブランドがコーヒーセミナーを開催し定員が満員になるなど、コーヒーの淹れ方を学びたいと思っている方が増えています。

デロンギ・ジャパン株式会社が2023年10月1日に公表した【コーヒーの飲用調査2023年度版】によると、コーヒーが好きな人のうち4人に3人はおうちコーヒーを毎日楽しんでいるというデータもあり、自宅で淹れるコーヒーをレベルアップしたい、という方は多いのではないのでしょうか。

この記事では、これからコーヒースクールを開講したい!という方向けに、コーヒースクールの開業に必要な資格や準備、集客のポイントについて解説していきます。

記事を読むとわかること

  • コーヒースクールの開業にはどんな資格が必要か
  • コーヒースクールの開業に必要な準備
  • コーヒースクールの集客を行う際のポイント

コーヒースクールの開業にはどんな資格が必要?

コーヒースクールを始める場合、なにか資格や許可が必要なのか疑問に思われる方は多いでしょう。

日本には、民間で運営されている資格はありますが、コーヒースクールの講師になるためには資格や許可は必要ありません。(※コーヒーを自家焙煎したり、豆を粉に挽いたりして販売する場合は「コーヒー製造・加工業(飲料の製造を除く。)」の営業届の提出が必要です。その場合には必ず教室を行う場所を管轄する保健所へ事業内容を相談しましょう。)

ただし、資格を持っていると生徒の信頼度アップに繋がり、集客効果も期待できます。コーヒースクールに関連する資格としては以下のようなものがあります。

  • 食品衛生責任者

    食品衛生責任者は、食品衛生法に定められた資格であり、各都道府県の保健所が管轄する公的資格でもあります。
    所定の資格(栄養士、調理師、製菓衛生師など)を持っていれば、保健所への申請のみで取得することが可能です。なお、これらの資格を持っていない人でも、各自治体で開催される「食品衛生責任者養成講習会」を受講すれば資格を得ることができます
    また、自治体によってはオンラインで取得できる場合もあり、取得の難易度は比較的低いことから、コーヒースクールを始める際には持っていて損はないでしょう。
  • 栄養士・調理師・製菓衛生師

    栄養士・調理師・製菓衛生師などの資格は、食品や栄養に関する専門知識を持つことが求められる職種に向けた資格です。大学や専門学校などに通い、これらの資格を持っている場合、教室の信頼度向上につながるので、ぜひ経歴としてアピールするとよいでしょう。
  • コーヒーマイスター

    日本スペシャルティコーヒー協会が管理している民間資格です。「コーヒーマイスター養成講座」を修了し、認定試験に合格すると、コーヒーマイスターとして認定されます。
  • コーヒーインストラクター検定

    全日本コーヒー商工組合連合会が認定している民間資格で、3級・2級・1級があり、さらにその上に高度な知識と技術が求められるコーヒー鑑定士の4段階の資格があります。

コーヒースクールの開業準備

それでは、実際にコーヒースクールを開業する際の流れを見ていきましょう。

コンセプトを決める

前述の通り、コーヒースクールを開業するために法的に必須の資格はなく、誰でも教室を開くことができるため、逆にいうと、「どうしたら通ってもらえるのか」「どうしてその教室で習いたいと思うのか」を明確にしておくことが、教室の開業で失敗しないためにもっとも重要な要素となります。

そのため、まずはあなたの教室のコンセプトを定めましょう。

一般的にコンセプトを決める場合には、「誰に」「何を」「どのように」の3つの要素から決めていくとわかりやすいと言われています。

  • 誰に(ターゲット):主にどんな層に対して教室を提供したいのか
  • 何を:ターゲットが教室を通してどんなニーズや欲求を満たすのか
  • どのように:ニーズや便益をどのような方法や技術で満たすのか(授業の内容や実施頻度など)

「誰に(ターゲット)」は、大まかに言うと以下のような内容が考えられます。

  • コーヒーを個人で楽しみたい方向けなのか、お店を出したい方向けなのか
  • コーヒーを美味しく淹れるにあたって、どの技術を学びたいのか

「何を」には、例えば以下のような内容が考えられます。

  • 器具別の淹れ方講座
  • ラテアート講座

「どのように」では、例えば以下のような内容を定めておくとよいでしょう。この内容は前述の「誰に(ターゲット)」と「何を」から考えていくと定めやすいです。

  • レッスンの方法:先生がコーヒーを淹れるのをみてもらうのか、生徒にも実際にその場で淹れてもらうのか、など。
  • レッスンの頻度:単発なのか複数回通うことを前提とするのか
  • レッスンの人数:1回につき参加できる生徒の数はどれくらいにするのか

場所を決める

コンセプトが定まったら、実際に教室を開く場所を決める必要があります。場所によって最初にかかるコストや準備も異なってくるので、自分にあった方法を選びましょう。

以下でそれぞれの方法とメリット・デメリットを紹介します。

自宅で開業する

自宅のキッチンにある程度のスペースがある場合、一番低リスクでコーヒースクールを始める方法が自宅で開業することです。メリットとデメリットは以下のようなことがあります。

メリット

  • 初期費用を抑えられるのでリスクが小さい
  • 自分が使い慣れた設備を使って教えることができる
  • 自宅の光熱費などを経費計上が可能になる
  • 近所の方や地域の子どもたちなどを集客しやすい

デメリット

  • スペースによって生徒数が限られる
  • 自宅の場所やプライベートが公開されるリスクがある
  • 家族や同居人からの理解が必要

レンタルスペースを利用する

ふたつめに、レンタルキッチンなどの時間貸しのスペースを活用して教室を行う方法があります。調理器具や設備などが充実していたり、空間にこだわっているスペースもあり、もし条件が合ったスペースが近くにある場合には、利用を検討してみるとよいでしょう。メリットとデメリットを挙げてみました。

メリット

  • 初期費用を抑えられるのでリスクが小さい
  • 人数に合わせて、スペースを柔軟に確保できる
  • 必要なときだけ場所を借りられるため、赤字リスクが少ない
  • 教室を閉じる際にも大きなリスクがない

デメリット

  • 都度予約をする手間がかかる
  • 場所の予約が取れず、レッスンを実施できない場合がある
  • 場所によっては生徒が通いにくい等の心配がある

ご自身のお店で開業する

最後にご自身のお店で開業する方法です。もうすでにお店にファンがついている場合は、この方法がよいのではないでしょうか。集客の心配もなく、コストを抑えることも可能です。

メリット

  • スクール開業までのスピードが早い
  • 道具や材料を用意する必要がない
  • 集客を別途行う必要がない

デメリット

  • カフェとしての売上が下がる可能性がある
  • 同業者から研究される可能性がある

開業資金を確保する

開業資金は、さまざまな要因によって異なります。一般的にかかるお金の内訳としては、以下のようなものが挙げられます。

施設の準備費用

コーヒースクールを行うための会場の準備が必要です。自宅のキッチンやご自身のカフェを教室として利用する場合でも、清掃や改装などの準備費用が必要になる場合があります。

調理道具や備品、材料の準備費用

複数人で同時にレッスンを行う形式にする場合には、その人数分の調理道具や食材が必要です。また、ホワイトボードや紙などの事務用品も揃えておくとよいでしょう。

広告・宣伝費

開業時や運営初期には、生徒募集のための広告や宣伝活動にまとまった費用を用意しておくと安心です。チラシ作成や印刷、ウェブサイトの構築、SNS広告などが含まれます。最初は知り合いのみで始める場合は、集客も口コミや紹介をメインとして、広告宣伝費を抑えることも可能です。

以上まとめると、大まかな目安として、自宅やレンタルスペースで始める場合、数万円から数十万円から始めることができると言われています。事前にどんな準備が必要なのかを洗い出して、開業資金を把握しておきましょう。

レッスン料と徴収方法を決める

開業資金や月間のコストが定まってきたら、逆算してレッスン料と徴収方法を決めましょう。単発のレッスンなのか複数回のレッスンなのか、一緒に受ける人数、材料費などによって価格帯は変わってきます。近所のコーヒースクールの価格をリサーチしておくとよいでしょう。

一般的に、単発のグループレッスンの場合には5,000円、月謝の場合には7,000円〜14,000円ほどが相場です。また、料金が決まったら、徴収方法も決める必要があります。

単発のレッスンの場合、その場で現金徴収する方法が最もコストや準備がなく始めることができるやり方です。ただ、直前のキャンセル時に徴収ができないリスクや、徴収後の管理の煩雑さがあるため、ある程度の規模がある場合には、オンライン決済の導入も検討しておくとよいでしょう。

予約時の事前決済にしておくことで、急なキャンセルのリスクを減らすこともできますし、払う側もクレジットカードなどのキャッシュレス決済を利用できるメリットがあります。

決済システムの中には、決済以外の入会管理やスケジュール管理機能も含んでいるサービスもあるため、開業時に導入しておくと、事務作業を減らすことができ、「教える」業務そのものに集中しやすくなるメリットがあります。

開業届の提出

個人事業主になる場合、税務署に開業届を提出する必要があります。これにより融資や助成金の申請、事業納税などが可能になります。
また、事務所・事業所の新設や増設・移転・廃止する場合や、事業を廃止する場合にも提出が必要になりますので、覚えておきましょう。

提出期限と提出場所

開業日から1ヵ月以内に、自宅住所を管轄する最寄りの税務署に提出します。

提出方法

開業届の提出方法は現状では以下の方法があります。

  1. 税務署へ直接提出する
  2. 郵送(返信用封筒も同封)
  3. e-taxを利用して提出する

なお、お手続き方法や必要書類については変更がある場合もございますので、詳細は「国税庁のホームページ」にてご確認の上、管轄の税務署の指定に従ってください。

その他にも、開業時にはさまざまな手続きが必要です。以下の記事では開業時に相談できる公的機関の紹介をしているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

コーヒースクールへの集客方法

教室を開業する準備が整ったら、生徒を集める必要があります。

最初は紹介や口コミなどで始める場合も多いですが、以下の対応を行っておくと、新規のお客様も検討がしやすく安心です。

ホームページやSNSアカウントを活用する

教室に関する情報をインターネットで公開しておくことは集客にとても効果的です。

ホームページ上では、生徒に信頼してもらえるよう講師の経歴や指導方針を公開しましょう。毎週のレッスンの予定や内容も掲載しておくことで、生徒は、自分が通える時間帯に教室が開講しているのかを確認することができます。

HPの作成方法は業者に依頼する方法から、サーバーを借りて自分で作成する方法まで様々ありますが、「Goope」など、テンプレートを選んで簡単にHPを作成できるサービスもあるので、調べてみましょう。

また、何を学べるのかの成果物の情報がとても大切になってきますので、Instagramやfacebookなどの、写真を公開できるSNSと相性が良いと言えるでしょう。

チラシを作成する

オンライン以外の方法でレッスンを実施する場合、生徒になる見込みがある方は教室の近くにいます。そのため、物理的なチラシを配布することも有効な集客手段の一つです。

地域の商店街やスーパーマーケット、コミュニティセンターなど、多くの人が集まる場所にチラシを配布することで、周辺地域の人々にコーヒースクールの存在を知ってもらうことができます。チラシには、コーヒスクールの特長や料金、アクセス方法などをわかりやすく記載し、興味を引くデザインや写真を使うことが大切です。

体験レッスンや単発レッスンを実施する

複数回通うことをメインとする教室を開業する場合にも、1回限りの体験レッスンを実施し、教室の雰囲気やレッスンの進め方を知ってもらえるようにしましょう。

体験レッスンの予約には、前述のホームページのお問合せフォームを利用するほか、SNSのメッセージ機能や、教室のLINEアカウントを活用する方法もあるので、ぜひ検討してみてくださいね。

紹介制度を用意する

友人や知人からの紹介はとても信頼度が高く、新規生徒が教室に興味を持ちやすくなります。さらに、紹介者自身も特典や割引を得ることができるようにしておくと、双方にメリットが生まれるため、教室側が大きな労力をかけなくても集客ができます。

まとめ

コーヒースクールを始める場合、なにか特別な資格や許可は必要ありません。ただ、もちろんコーヒーに関する知識や資格を持っていれば、生徒の信頼に繋がり、集客に有利になるでしょう。

この記事では、コーヒースクールを始める際に必要な資格や場所選び、集客方法など、開業に必要な準備や手順を解説しました。これから「教える」ことにチャレンジするみなさんに、少しでもお役に立てると幸いです。

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最後までお読みいただきありがとうございました。